【高校野球】京都先端科学大付が昨夏準Vの京都翔英を撃破!楽天・辰己涼介と同じ右投左打の中堅手・辰己裕政が決勝2点打
◆第106回全国高校野球選手権京都大会 ▽2回戦 京都先端科学大付4―1京都翔英(9日・わかさスタジアム京都) 京都先端科学大付が4―1で昨夏準Vの京都翔英を破る番狂わせを起こし、3回戦に進出した。9番の辰己裕政(3年)が決勝2点打。同じ姓、同じ右投左打の中堅手、同じ背番号8の楽天・辰己涼介(27)さながらの巧打で勝利を呼んだ。 * * * * * * * 京都先端科学大付・辰己が“本家”さながらの勝負強さを見せた。両軍無得点の2回2死二、三塁。3ボール1ストライクからの5球目を捉え、左中間を破る2点三塁打。「いいタイミングで回ってきてくれて、一番いいバッティングができた」と決勝打になった先制打を興奮気味に振り返った。 楽天・辰己と姓、投打、守備位置、背番号8と共通点が多く、「肩が強いし、守備は全く同じように(できるよう)意識している」。この日も2つの飛球を無難に捕球。9回2死、27個目のアウトとなる中飛をグラブに収めると、笑顔でマウンドへと駆け寄った。 プロ球団では楽天ではなく「オリックスファン」と明かす。この日は同チームの応援歌「Buffa Yell」を背に受けて打席へ。「(歌詞で)挫折ってところがあったので。それを乗り越えてこれたってのが好き」。高校1年時に腰椎分離症を発症し、野球を辞めたくなった時期もあった。それでも「チームメートの『頑張れ』という声が大きかった」と仲間に支えられ、野球を続けられた。復帰後は猛練習を積み重ね、レギュラーを獲得。苦境を乗り越えての一打にも「あれほど大きい声を出してもらって、いつも力になる」とスタンドで声を枯らして応援するメンバー外の部員への感謝を忘れなかった。 昭和の名投手・沢村栄治を輩出した旧校名・京都商時代には、甲子園で春夏1度ずつ準V。だが、現校名での出場はなく、昨夏は4回戦で福知山成美に敗れた。辰己は「古豪と言われるのは嫌。結果を見せつけるためにも、甲子園に行きたい」と決意表明。脅威の9番打者が、86年夏以来の聖地へ導く覚悟だ。(南部 俊太)
報知新聞社