安倍昭恵さんが演出「石破・トランプ会談」のチャンス 異例の夕食会舞台裏、今でも「シンゾーに会いたい」とこぼすことも
【ニュース裏表 峯村健司】 ドナルド・トランプ次期米大統領は15日(日本時間16日)、南部フロリダ州にある自身の邸宅「マールアラーゴ」に、安倍晋三元首相の妻、昭恵さんを招いて夕食会を開いた。その晩、同席したメラニア夫人が自身のSNSに、3人の写真とともに次のような書き込みをした。 【写真】大相撲を観戦する、安倍首相、トランプ米大統領、メラニア夫人、昭恵夫人=2019年5月26日 「昭恵夫人をマールアラーゴに再びお迎えできて光栄だった。私たちは亡くなられた安倍元首相をしのび、素晴らしいレガシー(政治的遺産)をたたえました」 各国首脳らから、トランプ氏への面会希望が殺到するなか、夕食会を設けることは極めて異例といえる。しかも当日はクリスマス休暇直前の日曜日である。米国人にとって家族や親しい友人だけで過ごす大切な日だ。 トランプ氏はなぜ、昭恵さんのために異例の夕食会を開いたのだろうか。翌16日、大統領選後初となる記者会見で、その経緯についてこう説明した。 「安倍夫人は妻のメラニアと非常に親しく、メラニアの本をとても気に入っていた。私は安倍元首相ととても親しかった。素晴らしい人物だった。夫人が夕食をともにできるか尋ねてきたので、シンゾーに敬意を表して受けた」 トランプ氏は生前の安倍氏と14回の対面の会談をした。電話会談を含めると50回を超え、最も親密な信頼関係を築いてきた。安倍氏は生前、トランプ氏との電話会談について、こう筆者に語ったことがある。 「最初のころは、外交や安全保障など仕事の会話が多かったが、次第にプライベートな話も相談されるようになった」 トランプ氏にとって、安倍氏は友人でもあり、よき相談相手だったことがうかがえる。安倍氏が暗殺されて以降も、その友情をしのぶことがあったようだ。政権移行チームの関係者が語る。 「今でも疲れたときや落ち込んだときには、『シンゾーに会いたい』とこぼすことがある。昭恵夫人のことも気遣っており、時折手紙のやりとりをしていたようだ」 こうした2人の友情が異例の夕食会に結び付いたのだ。トランプ氏は16日の記者会見では、石破茂首相との会談についてもやりとりがあった。