「維新は嫌いじゃない」 激戦制した大阪・大東市長、就任1カ月インタビュー
4月投開票の大阪府大東市長選で、本拠地の大阪で盤石の強さを誇ってきた地域政党「大阪維新の会」の公認候補ら2新人を破り、5月、市長に就任した逢坂伸子氏(56)が産経新聞のインタビューに応じた。元市課長で、かつての上司が部下に。副市長人事案は否決され、早くも議会の洗礼を浴びた。市政を担って5日で1カ月。民間事業者と協力して公共サービスの提供を行う公民連携事業に懸ける思いや、市政運営でポイントになる最大会派の維新との向き合い方などについて聞いた。 【写真】初登庁で集まった市民に手を振る大東市の逢坂伸子市長 --市民の議会傍聴が増えた 「歴代市長は施設整備などハード面の取り組みを進めていたが、私自身市職員として福祉部門が長く、生活弱者の声に耳を傾けてきた。物価高騰の折、主婦目線で市政を運営し『生活を良くしてくれそう』という期待感が高いのだと思う」 --市初の女性市長 「市長室に着替え用のパーティション(間仕切り)がない(笑)。男性目線では気付かなかっただろう。市長室について言えば、バリアフリー化しないと入れない市民もいる。市の代表たる市長室にバリアがあってはいけない」 --逢坂市政の特色は 「これまで市長がやり取りするのは主に部長級以上の幹部。新たに係長級以上とのぶっちゃけトークの時間を設けた。提案した人が何かをしないといけないわけではなく、他部署のことを自由に言ってもいい。部長を通すと指示として下に伝わる。『やらされ感』につながり、モチベーションも下がってしまう」 --副市長人事案は議会で反対多数(賛成5票、反対11票)で否決。根回し不足か 「そう言われればそうだが、議員によっては2時間みっちりと話し、理解を求めた。一部の職員が議員に反対するよう働きかけていたとも聞いている。反対したであろう主要会派に追従した議員もいると思う」 --維新市議はX(旧ツイッター)で公民連携の見直しを市長に求めたが「中止しない」との回答だったから、と内実を投稿した 「維新市議団から政策提案を受けた際、『公民連携教育をやめて』と言われたので『職員の話を聞いて検討したい』と答えたに過ぎないが、なぜか『中止しない』に置き換わって発信された。すぐに(市議団の)5人を呼んで『その表現は良くない』と伝えた」