買っても、買わなくても。なんだか居心地の良い本部町営市場を歩く【わがまちLink41】
しかし、1975年の海洋博覧会以降、大型店舗の進出に押され、市場は徐々に活気を失っていきます。 それでも、2006年に始めた手作り市の効果で、若い経営者も集まるように。 工房を構え、創作活動に励む人もいます。 また、夕方になると… ▽知念沙織さん 「子どもたちが放課後の…なんだろ、宿題中?」 ▽中学生 「勉強しに来ました、たまに来ます」 空きスペースが、子どもたちの居場所に変身。 「明るいし、人もいるのでいいかなと。なんか観光客の人も笑顔で入っているのをよくみるので、いいかなって」 子どもに人気の場所は他にも。 創業およそ60年の西平精肉店。店の壁に、ぎっしりと書き込まれているのは… ▽西平精肉店 西平睦子さん 「お誕生日になると、みんな身長を測りに来るんです。「ほなみちゃん」ていうのは名古屋の子なんだけど、毎年測って書いていて、もう、二十幾つになっている。だから私たちもこれが楽しみで」 しめくくりは、知念さんの夫が営むカフェへ。 ふたりは、市場で洋品店をしていた正作さんの祖母の影響もあって15年前に店を構えました。 ▽知念正作さん 「何も買わないでも、おしゃべりで来たりとかそこに座ってたりとか、声かけたり、かけられたりとか。そんな場所、なかなかないですからね、最近は。もちろん商売のためにやっているんだけど、まちづくりのためにというか」 ▽知念沙織さん 「お客さんも自分たちもだけど、孤立しないというところが、一番あるかもね、自分たちも安心しているっていうか」 買い物に来た人もそうでない人も、なんだか居心地のよい本部の町営市場。本部町を訪ねると、商いの場所というよりも、田舎の親戚の家のような、懐かしくてほっとする空間が広がっていました。 <記者MEMO> 本部町営市場では、今月27日には、おいしいものや素敵な雑貨が揃うイベントも予定されています。市場の雰囲気をぜひ直接感じていただきたいです。(取材 比嘉チハル)
琉球放送