中谷・小野寺元防衛相が会見(全文1)日本の防衛の現状について
中谷元氏と小野寺五典氏の両元防衛相が5日午後4時半から東京の外国特派員協会で記者会見を行った。 【中継録画】中谷・小野寺元防衛相が外国特派員協会で会見
日本の防衛の現状について
中谷:皆さん、こんにちは。ご紹介をいただきました前防衛大臣の中谷元でございます。元防衛大臣ではございません。また、GenですがGeneralではございません。しかし自衛隊の出身の国会議員でございます。在任中は平和安全法制ならびに日米の防衛協力のガイドラインの調印をさせていただきまして、今、防衛につきまして、党のほうで小野寺先生と一緒に活動しております。 今日はこちらで講演させていただきますが、朝6時12分に北朝鮮の東部の新浦というところでミサイルが発射されました。60キロ、飛行をしまして日本海に落下したそうでございます。アメリカの太平洋軍はKN15、中型弾道ミサイルと言っていますが、韓国は当初スカッドのERと発表しておりました。わが国は調査中ではありますが、今回の発射は米中の首脳会談が直前に実施をされるということで、北朝鮮が対応したと思いますが、今日、小野寺先生と私がここで講演をするということで撃ってきたかもしれません。 ということで、現状のわが国の防衛につきましてお話しさせていただきますが、お手元の資料に沿ってお話ししますので、お手元の資料に昨年、北朝鮮が発射したミサイル、核実験の表があります。ほぼ20回、発射しています。次のページは今年になって3回発射しましたが、2月は固体燃料の北極星2号、SLBM改良、3月はスカッドER、そして3月22日はムスダンということで非常に進化をさせてきています。 今日発射されたのがこのスカッドER、もしくはKN15、ということでありますけれども、いずれにしても固形燃料の非常に跳躍力のあるものでありまして、KN14の場合は〓5005 00:07:21〓キロメートル以上ということでありますが、組み合わせるとテポドンになってしまって、ICBMになってしまいます。 で、これは現在のわが国のBMDでありますが、イージス艦、またはPAC3の2層によって迎撃するというスタイルです。で、韓国も含めてミサイル防衛に協力しておりますが、特にGSOMIAが協定をされた、また韓国にTHAADが配備決定されたということで、非常に日米の協力、または米国の抑止力、韓国の協力等をもとにミサイル防衛に対応していっております。 対策は3つです。第1に日本のミサイル防衛能力、体制の強化ということで探知、迎撃、そして反撃であります。 通訳:ごめんなさい、最後が。 中谷:反撃。これは後ほど小野寺議員のほうから説明いただきます。私のほうからは敵基地攻撃に用いられる装備の例として弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機による対地攻撃があるということを説明いたします。この図は航空機による対地攻撃に必要な装備ということで青いマーカーがあるのは現在でも保有している部分。そして赤で記述しているのがまだ保有をしていない装備でありまして、現時点において無人偵察機、そして偵察衛星、スタンドオフ妨害機、エスコート妨害機、そしてARM、ステルス機などは日本はまだ保有しておりません。 次に日米の共同対処でIAMD、統合防空ミサイル防衛、これの協力を進めております。アメリカはすでにC2BMDということで弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機のこの統制システムがございます。日本は独自のJADGEシステムがありますけれども、これを統合的にオペレーションに使えるように今、検討をしております。そして次のページ、DWESという、これは最適のイージス艦が弾道ミサイルに対応するということで、これは日米の共同対処のときにそれぞれ役割分担をして、ただちに迎撃するというシステムです。 次は、NIFC-CAといいまして、これはアメリカの海軍がE-2Dをして、CECにおいてイージス艦とつながって、こういったできるだけ前方で情報収集をして後方でミサイルを発射するというシステムです。現在、航空自衛隊はE-2Dを保有しておりますので、海上自衛隊のイージス艦とつなぐということは課題になっています。 それでは、これからわが国はどうするかということで、新しいニュースとして28年度の緊急発進回数が1000回を超えて、過去最多となりました。中国機に対するスクランブルの回数、平成28年度、644回、急増しています。中国の第4世代の戦闘機、新型潜水艦も急増しています。両方ともわが国の倍になっていまして、まだまだ増えていくでしょう。今後の防衛力の在り方におきましては、質、量、両面においてこの軍事力を急速に拡大している中国等に対しまして、これらに有効に対応することを目的として、抑止と対処、双方を重視した防衛力を構築します。 そして陸海空共に宇宙、サイバー、海洋、多面的にそれぞれがドメインとして協力をしていくという方向で今、検討しております。そして、それぞれの対応等につきまして、現在防衛省で検討しております。 最後に、先だって私、アメリカに行ってまいりまして、米側が日本に求めることをヒアリングしてまいりました。ホワイトハウス自身がまだピラミッドが完成してなくて、十分に機能してない部分がありますし、また、国防省も国務省も主要幹部が決まってませんので、ドクトリンは発表しておりませんが、今までのオバマ政権、これの方針を踏襲していくのではないかと思います。 私の感じでは、オバマ政権との違いは、〓バイ 00:17:33〓ですね。バイに重視で、マルチ、また地域安全保障、これについてはまだそこまで考えてないという気がいたします。しかしながら、ティラーソン、マティス、マクマスター、いずれも安全保障、外交を熟知された方でありますので、今までのこの3国、日米豪、日米韓、日米印などの3極、またこの地域安全保障もこれから視野に入れて対応するのではないかと思います。 最後に、アメリカが日本に求めることは3つあると思うんですね。1つ目はホスト・ネーション・サポートですが、これはマティスが来日して、日本は世界のお手本だということで、これは大丈夫だと思います。2つ目は防衛予算でありますが、これはまさにわが国自身のことでありますので、よりしっかりとした日本独自の対応をということで期待をしている部分だと思います。 3つ目は負担の分担ということで、どんな役割があるのか、日米ガイドラインで非常にレベルが上がってまいりますので、新しい役割というものがなんなのか、今後アメリカの担当者も決定されますので、この辺につきましては日米間でよく緊密に協議をして、構築する必要があるかと思います。どうもありがとうございました。