センバツ2024 広陵・中国大会振り返り 打撃編 4試合で42安打20得点 /広島
◇勝利に一丸、粘り強さ発揮 中国地区大会の4試合で、広陵は42安打20得点を挙げた。決勝では先制を許すもすぐに追いつき、粘り強く逆転するなど底力を見せた。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 決勝で五回、流れを引き戻す同点三塁打を放ったのが浜本遥大選手(2年)。「余分な力が入らず、冷静に強いヒットを打てた」と振り返る。勝負強い打撃が持ち味で、エースの高尾響投手(同)に「逆方向に打球を飛ばすことができるし、ヒットゾーンが広い。自分は対戦したくない」と言わせるほどだ。浜本選手自身は「甘い球を見逃したり、中途半端なスイングをしたりする場面があった」と謙虚に受け止め、改善に取り組んでいる。浜本選手と同じく上位打線を任された土居湊大選手(同)は打率4割をマークした。 準決勝は序盤に5点を奪ったものの、六回に一挙4点を返され、気づけば1点差に。この危機を救ったのが、1年生の白髪零士選手。七回に2点三塁打を放ち、再び突き放した。田村夏芽選手(2年)と酒井綾希人選手(同)は打撃はもちろん、足でもかき回した。 主将の只石貫太捕手(同)は1年から高尾投手とバッテリーを組み、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。中井哲之監督も「研究心があり、負けん気が強い」と評価している。中国大会こそ調子が上がらなかったが、昨夏の広島大会決勝では犠飛で先制点を挙げ、同点に追いつかれた後も2点適時打で突き放し、甲子園出場に貢献した。本来の調子を取り戻せば相手にとってさらに手ごわい存在となる。 中国大会を終え、只石主将を中心に「チームがまとまる」プレーを心がけているという。「1回負ければ終わり」の甲子園でプレッシャーに負けず、力を出し切れるよう、「『学校のグラウンドが甲子園の舞台だ』という気持ちで日々練習している」と中井監督。グラウンドのスコアボードには、「5040」(甲子園)▽「1082」(センバツ)▽「21」(日本一)の数字を映し出し、練習中も士気が上がる工夫をこらす。チーム一丸で冬場の練習を乗り越え、センバツ開幕までにどこまで成長できるかが注目される。【武市智菜実】