食べ物を探して畑から道路に出てくるヨトウムシ＝五主町で

　三重県松阪市笠松町や五主町の大豆畑近くの道路で、9月下旬ごろから、ガの幼虫「ヨトウムシ」が大量に現れている。通学路を群で移動する様子に児童たちは「気持ち悪い、怖い」と話し、近くの農家は「今年は多いな、（大豆の）収穫が心配」など不安を募らせている。

穴が空いた葉っぱとヨトウムシ

　ヨトウムシは、チョウ目ヤガ科ヨトウ亜科。幼虫は主に、夜間活動して葉を食い荒らして被害をもたらすため、漢字では「夜盗虫（ヨトウムシ）」と書かれる。体長は約2センチ～4センチで、体の色は緑色や褐色が多い。大豆のほかキャベツ、白菜などにも卵を産み付ける。 　ヨトウムシは同町付近の大豆畑に面する数箇所の道路に現れ、1匹ずつ数十センチ間隔で動いている。 　嬉野川北町の県病害虫防除所によると、「県全域で昨年も多かったが今年も春先から多かった。8月以降に増え始めて11月ごろまではいる。畑の中の作物では足りなくなり、食べ物を探して道に出ていると思う。人間に害はない」と話す。 　笠松営農組合の山田吉雄代表理事（75）は「11月末から12月ごろが大豆を収穫する予定。葉っぱもみんな食べられて実が付かないので収穫が少ないのでは」と心配している。