【高校野球】常葉大菊川 鈴木来空がけが乗り越えて最後の夏へ…全国高校野球選手権静岡県大会7月6日初戦~話題校紹介
常葉大菊川の打のキーマン、鈴木来空(らいあ)三塁手(3年)が、度重なる負傷を乗り越えて最後の夏に挑む。復帰した春は、「6番・三塁」で出場した東海大静岡翔洋との県大会2回戦(0●2)の1試合のみ。それでも石岡諒哉監督(35)が「菊川の中でスイングはトップ。打線にいるといないのでは全然違う」と言うほどの存在。夏は2018年以来、鈴木来にとっては昨春以来の甲子園へ「自分が打撃で引っ張り、石岡さんをまた連れて行きたい」と自信に満ちていた。 1年秋からスタメン入りした逸材だが、アクシデントが続いていた。昨年のセンバツ出場時は両すねのシンスプリント(けい骨過労性骨膜炎)を抱えていた。昨夏大会後には左足薬指を疲労骨折。秋季大会には間に合ったが、その後10月に右けい骨を疲労骨折した。今年に入り、2月には右手中指骨折。当初、復帰は早くて夏の県大会の1か月前と見込まれていた。「夏のパフォーマンスはどうなるんだろうか。野球をやりたくないとまで思った」と追い込まれた時期もあった。 新チームで主将を任されたが、別メニュー調整が多く、その座を降りた。ただ、チームを支える気持ちは変わらない。参考になったのが1学年上でヤクルトに入団した鈴木叶捕手(18)だ。浜松南リトルシニアからの先輩は昨夏、左手首の骨折に苦しんでいた。試合に出場できなくてもベンチで投手に水を手渡したり、鼓舞する姿を間近で見ていた。だからこそ昨年10月、鈴木叶に「焦っちゃダメ。どんな形でもチームの勝利に貢献できることがある」とかけられた言葉を胸に刻み、「チームのために」という意識が高まった。練習では自身の経験から助言するなど、山下結風主将(3年)をサポートしてきた。 リハビリ期間のトレーニングで体重は昨夏から9キロ増の76キロになり打撃がパワーアップした。入念な柔軟体操を取り入れ、けが対策にも余念がない。鈴木来空だからこその献身性を見せる夏にする。 (伊藤 明日香) ◆鈴木 来空(すずき・らいあ)2006年9月17日、浜松市生まれ。17歳。小3から篠原グリーンズで野球を始め、中学では浜松南リトルシニアでプレー。家族は両親、姉、妹。172センチ、76キロ。右投左打。
報知新聞社