次の八村塁、河村勇輝を要チェック 未来のバスケ日本代表を担う3人の世代ナンバーワン高校生
【圧倒的な得点力を誇るシューター】 パスをしてはいけない、得点だけを考えろ、ということではない。状況に応じて第一優先を何にすべきか──原点ともいうべきそれを、もう一度見つめ直したという。 とはいうものの、瀬川の技術、フィジカルが「世代ナンバーワン」なのは揺るがない。あとは攻撃力という点において、その評価をさらに上へと突き抜けられるか。それが瀬川に課せられたウインターカップでの大きな課題だ。それをクリアすれば、彼が思い描く未来は近づいてくる。 平良宗龍(たいら・しゅうたつ)<18歳/新潟・開志国際・3年/SG> 最後のひとりは、開志国際の平良宗龍を推したい。身長は瀬川よりわずかに低い183cmだが、得点力は瀬川に引けを取らない。切れ味の鋭さが彼の持ち味だ。 沖縄県出身で中学時代は琉球ゴールデンキングスU15に所属し、中学3年生の時には同U18にも参加。高校進学後も琉球の特別指定選手として順調にステップアップを続けている。 開志国際でも1年生からスタメンに抜擢され、インターハイで準優勝、ウインターカップでチーム初優勝に導く原動力となった。これまでの多くの経験が生かされた格好だが、しかしそれ以降は決勝の舞台に立てていない。 昨年は将来を見越してPG転向にチャレンジしたが、それも裏目に出てしまった。彼の持つ得点力を発揮することができず、昨年度のウインターカップではベスト8、今夏のインターハイでもベスト8に終わっている。 それでも今年度は、元来のポジションであるSGでプレーすることになり、彼本来の力を取り戻しつつある。 千葉ジェッツの富樫勇樹の父であり、開志国際を率いる富樫英樹コーチは、彼に足りないところをキッパリと言う。 「チームを勝たせること」
平良は得点力を落とすことなく、そのうえでチームを勝たせることを求められている。もちろん彼ひとりの力で勝てるほど、ウインターカップは甘くない。開志国際には彼のほかにも強力なチームメイトもいる。それでも......と、富樫コーチは言う。 「やっぱり、ウチは平良なんだ、というところを見せたい」 今回取り上げた3人は、いずれも高校3年生。今のプレーをチェックしておけば、これからのBリーグ、そして将来の日本代表の試合もより楽しめるはずだ。高校生活最後のウインターカップでどのようなパフォーマンスを見せてくれるか、期待したい。
三上 太●取材・文 text by Mikami Futoshi