１０月２７日投開票の衆議院議員選挙。各選挙区の候補者の選挙戦についてお伝えしているシリーズ「宮城の選択」今回は宮城４区です。区割りの変更に伴い、宮城県内２番目の人口を抱える石巻市のほか、仙台市のベッドタウンとして発展を続ける富谷市など東西８０キロにわたる１２市町村で構成される宮城４区。 閣僚経験のあるベテランの前職２人が互いに相手の地盤の切り崩しに奔走する中、２人の新人が挑む構図になっています。 安住淳氏（立憲・前） 「初めてこの塩釜の地で第一声をさせていただくことになりました。安住淳、ここを第２のふるさとだと思って頑張ります」 立憲民主党の前職、石巻市の旧牡鹿町出身の安住淳氏（６２）。石巻市を中心とした旧５区を地盤とし、１９９６年の初当選以来、９回連続で当選を重ねてきました。今回、安住氏が第一声の場所に選んだのは地元ではない旧４区の塩釜市、選択の背景には区割りの変更に伴う“危機感”がありました。 安住淳氏（立憲・前） 「１１回目のタスキですけど、本当に初心に帰った気持ちでやらないと、とっても厳しい選挙ですから、頑張りたいと思います」 １票の格差の是正のため、富谷市や多賀城市など仙台市近郊の自治体からなる旧４区と、石巻市を中心とした沿岸部に加え大郷町などを抱えていた旧５区が再編される形となった宮城４区。その中で旧４区の有権者数はおよそ２１万人、旧５区はおよそ１７万人です。 勝利のカギは新たな選挙区での浸透。１０月１９日に富谷市で開催した個人演説会にはおよそ１００人の支援者が集まりました。 区割りが変わった２年前から、旧４区の地域で行った住民との座談会は１５０回以上。自民党派閥のいわゆる裏金問題や世襲政治を批判。政権交代の重要性を訴える一方で、少子高齢化が進む中、労働力の確保策として「外国人雇用の推進」を掲げています。 安住淳氏（立憲・前） 「仙台圏でも、僕が認めてもらえるか正念場なので頑張りますよ」 自民党の前職で元環境相の伊藤信太郎氏（７１）。衆議院議長も務めた父・宗一郎氏の地盤を継ぎ、初当選して以来２３年間「クリーンな政治」を貫いてきたとした上で、「政治の信頼回復」に先頭に立って取り組みたいと訴えています。 伊藤信太郎氏（自民・前） 「政治倫理を確立し、必要な法改正を行って政治資金の透明化を図り、党改革を進め、政治改革を進め、政治への信頼回復を獲得するために、伊藤信太郎先頭に立って全力を挙げてまいりたいと思います」 「政権与党の議員」をアピールする伊藤氏。地盤の旧４区だけではなく旧５区の首長からも広く支援を集めています。物価高に追いつく賃上げを地方から実現したいとして中小企業への支援に力を入れたいと話す伊藤氏。加えて、教育の無償化や再生エネルギーの拡充など幅広い政策を訴えています。１０月１８日には自民党・最高顧問の麻生太郎氏も応援にかけつけました。 伊藤信太郎氏（自民・前） 「野党は色々文句を言います。自民党の悪口を言います。しかし実際予算を作ったり、その予算に反対していますから、その予算を宮城４区に引っ張てくることはできません。みなさん一人一人の思いを国政に繋げる、その仕事を伊藤信太郎にさせていただきたいと思います」 １０月２０日、石巻市のイベントで支持を訴えたのは日本維新の会の新人・佐藤雄一氏（４５）です。石巻市議を３期途中まで務め、去年１０月の県議選に立候補しましたが落選。今回、初の国政選挙への挑戦となります。 選挙では、党が公約に掲げる教育無償化や社会保障制度を改めて現役世代の可処分所得を増やすことで少子化対策につなげたいと訴えています。 佐藤雄一氏（維新・新） 「若者世代に徹底投資をする、こういった政策を掲げております。これは決して高齢者の皆さまをないがしろにする政策ではございません。若い人の懐を温めて余裕をもった生活をしてもらって回り回って高齢者を支えることができる。こういった社会を理想としています」 公示日にはおよそ３０人の支援者を前に、第一声を行いました。 佐藤雄一氏（維新・新） 「まだまだ有権者にお会いできてないところもあるので、しっかり遊説して周って街頭から維新の政策、私の政策をお訴えしてお伝えしていきたいと思います」 大林正英氏（れい・新） 「消費税の廃止。すぐにでも効果が経済に効果がでる、この問題を皆さんと一緒に取り組みたい。できないことなんか何もないんだ」 れいわ新選組の大林正英氏。東京都出身の６０歳、大学卒業後は銀行員として働き、東日本大震災をきっかけに岩手県釜石市に移り住み復興支援員や市議会議員を務めました。国政への挑戦は岩手県内から立候補した前回衆院選に続き２度目です。 大林正英氏（れい・新） 「一生懸命やります。何もわからないので教えてください」 掲げる公約は消費税と原発の廃止。党として、しがらみのなさを強調したうえで新しい政治を目指すと訴えました。 大林正英氏（れい・新） 「やれば変えられるんだ政治も中々面白い、そんなことを皆さんに思っていただけるようれいわ新選組として一生懸命働いてまいります。皆さまの思いで、私たちを応援していただけないでしょうか」 閣僚経験のある与野党のベテラン議員に、２人の新人が挑む宮城４区。衆議院議員選挙は２７日に投開票されます。