県内各地で6月の観測史上最大雨量を記録 これから梅雨本番 愛媛の今後の天気は
18日未明から朝にかけて県内では雨脚が強まりました。懸念された線状降水帯の発生はありませんでしたが、これから本番を迎える愛媛の梅雨。今後も注意が必要です。 低気圧や梅雨前線に流れ込む暖かく湿った空気の影響で、大気の状態が非常に不安定となった県内。今治を中心とする東予方面で大雨となりました。
(午前7時頃) 三宅記者: 「雨は小康状態になってきましたが、川を流れる水の水位が上昇しています」 今治市玉川では、午前4時58分までの1時間に30.5ミリの激しい雨を観測。午前6時10分までの6時間雨量は112.5ミリと、6月の観測史上最も多くなりました。これは、平年の6月1か月分、221.2ミリの半分の量がわずか6時間で降った計算です。
被害を受けた住民: 「朝の5時ごろにドーンという音がした」 今治市朝倉では民家の裏の塀が崩れて、敷地内の電柱が倒壊。柵の一部を損傷したほか、カーポートの柱が折れ曲がる被害がありました。けが人はいませんでしたが、降り続いた雨で家の裏にある田んぼの水が溢れ、塀が崩れたのではないかといいます。 被害を受けた住民: 「雨がひどかった。ここまでひどいと思わなかった。ここに来て50年余るけど初めてですあんな水は」
滝口記者: 「大雨の影響で水が増水しものすごい勢いで川が流れています」 玉川だけでなく、今治と松山空港の6時間雨量も6月の降水量1位を更新。大洲市の肱川では、濁流の中で羽を休める鵜の姿が… きのう午後6時の降り始めからの各地の雨量は、今治市玉川で135.5ミリ、石鎚山成就社で114ミリ、西条で110ミリ。南予でも、大洲で77.5ミリ、宇和島59.5ミリなど、県内の広い範囲でまとまった雨となりました。
(スタジオ) 松岡アナ: 人命にかかわるような被害はありませんでしたが、東予を中心に100ミリを超える大雨になりましたね。 水口気象予報士: 特に各地で雨脚が強まった明け方は発達した雨雲が流れ込み、線状降水帯には至りませんでしたが、高知県や高知沖で発達した雨雲の列ができた時間もありました。今回は天気の回復が早く、雨が降った時間は比較的短くなりましたが、降り始めからの雨量が100ミリを超えた東予ではたった10時間ほどで6月1か月分の雨量の半分以上の雨が降り、短期間の大雨になりました。 松岡アナ: 雨も上がってこれでひと安心といいたいところですが…? 水口気象予報士: 雨を降らせた前線や低気圧は、あすいったん南下して県内は晴れて日差しが強まりますが、あさってになると、再び東シナ海から前線が伸びて湿った空気が流れ込みやすくなりそうです。そして金曜日以降はさらに前線が北上する見込みです。 上空の高気圧が強まって前線を一気に押し上げ、梅雨前線は西日本付近で南北に動きながら停滞を続ける見込みで、県内では1週間ほどくもりや雨の梅雨空が続きそうです。
松岡アナ: そうなると気になるのは雨の降り方ですね。 水口気象予報士: 前線の位置や活動次第で大雨のタイミングは変わりますが、前線が九州北部から四国に停滞する21日金曜から22日土曜にかけてと、前線が南下して四国付近で停滞する24日月曜から25日火曜にかけて強い雨雲が流れ込みやすく、大雨となる可能性があります。 21日金曜日以降は前線が停滞することで県内は雨雲の通り道となります。連日の雨で長雨となり、その中で大雨が重なって雨量が増えると災害につながるおそれもあります。 今週金曜日以降は大雨への備えをもう一段階高めておきましょう。