【鎌倉駅西口で創業86年】ビールとからあげで乾杯! 〆にはカレー蕎麦orカツ丼セットを
コロナ禍に誕生した「からあげ」が新名物
今日はビールの小瓶と定番の板わさと、秋冬になると注文したくなる「揚げ出汁餅」、「鶏のからあげ」からスタート。おいしくてつまみもビールも追加したくなるのを堪えて、まずは潔くサクッと。 「からあげ」は新型コロナウイルスのパンデミックの際、お弁当の販売をしていたときに、おかずとして人気だったもの。これは今も厨房に立つ順子さんのお母様が長年家族のために作ってきたレシピだそうで、今は定番メニューとしてテイクアウトもイートインのつまみとしても人気が定着しているそう。 サクッと揚がった衣と共に口の中を占拠する肉汁をビールで流し込む感じがたまらない。幸せすぎて思わずひと口ごとに目を閉じてしまうほど。 ビール以外に、日本酒の種類も充実しているので、近日、新蕎麦を味わうときには、日本酒から攻めてみようと思います。
〆のそばは、カレーにするか、セットにするか
仕上げは大抵、「せいろ」か「素カレー」で、たまに「カレー南蛮」を注文することがほとんど。素カレーとは、肉なしのカレー南蛮のことで、妙齢の私には少々カレー南蛮が重たいかなというときにちょうどいいもの。たまに肉のかけらが入っていたりすると、ちょっとうれしくなる楽しい逸品です。 今日は奮発して久しぶりにカレー南蛮。仕上げのつもりが、カレーとだしの絶妙な割合と具だくさんのおかげで、またビールを追加したくなってしまいました。やばい、やばい。 また、もうひとつのおすすめが、禁断のカツ丼+半そばセット1,680円。蕎麦屋のほんのり甘めのカツ丼ってどうしてこんなにおいしいんでしょうか。ハーフサイズではなくフルサイズでやってくる気前の良さで、このお値段。お蕎麦は、温かいのか冷たいのかが選べ、プラス70円で胡麻せいろにもでるなんて、くーっ! 素晴らしすぎる!
どこに座っても居心地がいい
ひとり飲みはどの席でいただくかも重要。ここでは、掛け軸がわりに飾られた季節の手ぬぐいを眺めながらテーブル席で飲むことが多いけれど、大勢のときは座敷に上がってゆっくりいただくことも。 ひとり飲みにうれしいカウンター席には、鎌倉について書かれたさまざまな書籍とともに『ドラえもん』や『きょうの猫村さん』なども並べられているので、本棚に並ぶ背表紙をチェックしながら、ときには本を開いたりしつつ飲むのもまたいいのです。 このなんとも気取らない町のお蕎麦屋さんで、晩ご飯作りの前に、東京帰りの後にちょっとひと息、ほっこりできるのは本当にありがたい時間。ひとりで鎌倉を訪れた際には、ぜひ、地元民に混じってなごんでほしいなぁと思います。 「竹扇」といえばのお楽しみをもう一つ。 2階のお座敷では定期的に落語会(3,500円 ドリンク付き)を開催。次回は2025年1月だそう。詳しくはお店のInstagramをチェックしてみてください。会場でいただけるミニお弁当(600円・要予約)もあるそうですよ。 厨房からのにぎやかな笑い声や、注文が通る威勢のいい受け答え、たまに言い合い(笑)をBGMにすする蕎麦前のお酒とつまみ時間に癒され続けて20年以上。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 竹扇 所在地 神奈川県鎌倉市御成町9-31 電話番号 0467-22-2319 営業時間 11:30~16:00 定休日 不定休(Instagramで確認) Instagram @sobachikusen 赤澤かおり(あかざわ・かおり) 料理雑誌の編集部を経て、フリーランスに。料理と旅の編集者として活動。料理本のほか、30年以上通い詰めるハワイについての執筆、単行本編纂も多数。近著に「人生にはいつも料理本があった」(筑摩書房刊)。 Instagram @kaoriakazawa.akalohasunny
赤澤かおり