ドリス・ヴァン・ノッテン、香水開発は継続 「フレグランスはクリエイティビティを発揮する新手法」
新作は、独香料メーカーのシムライズ(SYMRISE)のスージー・ル・ヘリー(Suzy Le Helley)によるグレープフルーツとレザーの香り“ビター スプラッシュ”と、IFFのジュリアン・ラスキネ(Julien Rasquinet)とポール・ゲラン(Paul Guerlain)による“カモミール サテン”を含む4種だ。ドリスは、「もう少しリッチで重厚的な香りを作りたいと思っていたときに、調香師たちは、リッチな香りでありながら、親しみやすいカモミールと、官能的ともいえる重厚なバニラの独特な組み合わせを提案してくれた」と話す。サステナブルな手法で製造し、自然由来成分を含む新作について、「結果にはとても満足している」と続ける。
芸術作品のようなボトル
ドリスは、パッケージにもこだわっている。「そこで、私のファッションデザイナーとしてのスキルが生きてくる。なぜなら、私は本当に香水を着飾るから。ボトルの中で香水をつけている、実在しない人物を着飾るのだ」と語る。「最初のアイデアは、香りの中にある不可能な組み合わせ、つまりは衝突をボトルにも反映させることだった」。ボトルには、磁器や彫刻を施した金属など、複数の素材を採用している。ドリスにとってこのプロセスは、ファッションのミニチュアを作るようなもの。「服を作るのと同じ技術が必要なんだ」と話す。“クレイジー バジル”には大量のバジルを使用しているため、不透明なガラスとプラスチックの2種のグリーンを採用した。
ドリスは、「私はほとんど全てのことに同じ執着心を持っているんだ。庭造りも、料理もとても熱心にする。すてきな盛り付けや花を添えなければ、料理をキッチンから持ち出すことはできない。なぜなら、私は鼻や口と同じくらい、目でも食事をするから」と語った。