トランプ氏政策顧問がFRBの陣容見直し-副議長にボウマン氏指名も
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領の政策顧問は、連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(銀行監督担当)の後任にボウマン理事を指名する可能性を含め、FRBの陣容見直しについて検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
バー氏が副議長ポストを退く一方でFRB理事としてとどまる意向をFRBが6日に発表したのを受けて表明化したものだが、2026年5月に任期切れを迎えるパウエルFRB議長の後任候補についてもトランプ氏の顧問は絞り込みの作業に着手している。
一連の候補者リスト作成に当たっては、金利政策を巡る各当局者の言動を注視しているという。トランプ氏は政権1期目にパウエル氏を議長に起用したが、自身のこの判断が思惑通りの結果につながらなかったとして、繰り返し不満を表明してきた経緯がある。
関係者によれば、パウエル議長の将来的な後任候補としてはこれまでのところ、トランプ氏がホワイトハウスの国家経済会議(NEC)委員長に起用するケビン・ハセット氏のほか、ブッシュ(子)政権でそれぞれNEC委員長と同副委員長を務めたローレンス・リンゼー氏とマーク・サマリン氏、前世界銀行総裁のデービッド・マルパス氏、ケビン・ウォーシュ元FRB理事が選考対象となっている。
一方、ウォラーFRB理事は以前、パウエル議長の後任候補の1人に目されたこともあったが、同理事が昨年9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイント利下げを支持したことを受け、もはやその可能性は小さくなったという。
トランプ氏は、金融当局が11月の米大統領選を目前に控えた時期に通常の0.25ポイントより大幅な利下げに踏み切ったことに対し、民主党に有利に作用する「政治的な動きだ」として批判していた。
トランプ政権2期目ではこのほか、クリーブランド連銀のハマック総裁もFRB理事に起用される可能性があるという。
ボウマン、ハセット、サマリン、ウォラー、ハマックの各氏はコメントを控えた。ウォーシュ、マルパス、リンゼーの各氏にコメントを要請したが返答はない。トランプ氏の政権移行チームにコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。