猛暑で年々遅く…ノリ種付けようやく11月に解禁
熊本朝日放送
ノリの種付けが1日解禁となりました。猛暑の影響で、年々後ろ倒しになっていて、初めて11月までずれこみました。 午前6時。有明海でノリの種付けが始まりました。網につけた袋の中には、ノリの胞子がついたカキ殻が入っていて、この網を海に張り込んでいきます。 ノリ漁師 「やっと水温も下がり傾向で、種付けできる準備ができたということで、でも、まだ手放しで安心はできんところですよね」 海水が高温だと、プランクトンが増殖してノリに十分に栄養が行き渡らないため、海水温が23℃以下にならなければなりませんが、近年の猛暑の影響で種付けの解禁日は年々後ろ倒しになっています。 5年前は10月中旬に種付けできていましたが、9月の平均気温が過去最高となった今年は、初めて11月にまでずれ込みました。 藤森漁連会長 「熊本の場合は、我慢に我慢を重ねて、きょうまで待っていたというのが実情」 県漁連によると、春になると再び海水温が上がるため、ノリ養殖ができるのは3月ごろまで。種付けが遅れることで、養殖期間が短くなり、生産枚数の減少につながるとしています。 今シーズンの収穫見込みは約8億枚。ノリの生産者が減少したこともあいまって、10年前の80%ほどしか収穫できないということです。 ただ今年は、ノリ養殖に必要な栄養の濃度が高いため、このまま海水温が上がらず、雨が適度に降れば、質の良いノリに仕上がりそうだとしています。