期待に応えられず…。今季ガッカリだった欧州日本人10人。環境、ライバル、ケガ…。様々な要因で苦しんだサムライたち
MF:中井卓大 生年月日:2003年10月24日(20歳) 所属クラブ:ラージョ・マハダオンダ(スペイン) 2023/24リーグ戦成績:19試合0得点0アシスト スペインの名門クラブ、レアル・マドリードの下部組織で育った中井卓大は、パリ五輪世代の中心選手になることが期待されたが、まだブレイクしていない。 抜群のセンスを武器にマドリーで順調にカテゴリーを上げた中井は、2022年夏にセカンドチームにあたるカスティージャに昇格したが、2022/23シーズンは3部リーグで出場2試合と苦しんだ。 そこで今季は、同リーグのラージョ・マハダオンダにレンタル移籍して経験を積むことになったが、リーグ戦19試合出場のうち先発は5試合のみで、ここでもレギュラーポジション獲得に苦しんだ。特にシーズン後半戦は交代でも試合に出られない時期が続き、周囲が期待した成長はできなかった。 まだ20歳の若手で伸びしろはある中井だが、抜群のセンスとテクニックを持ちながら、それを最大限に活かすための瞬発力やパワーが十分ではない印象を受ける。主力として活躍が期待されたレンタル移籍でベンチを温めることになったのは、本人にとっても焦りがあるかもしれない。まずは定位置を獲得できる環境から、一歩ずつ上を目指したいところだ。
FW:田川亨介 生年月日:1999年2月11日(25歳) 所属クラブ:ハーツ(スコットランド) 2023/24リーグ戦成績:14試合2得点0アシスト サッカー日本代表の各世代別代表で活躍してきた田川亨介は、2022年1月に日本を離れてから、なかなかブレイクできずにいる。 田川は、昨年夏にスコットランドのハーツに加入したが、シーズン序盤にケガで出遅れてしまい、レギュラーに定着できなかった。シーズン後半戦になると、序列がさらに下がってしまい、FWで3番手か4番手の扱いに。途中出場の機会も減り、レギュラーシーズンは無得点に終わっている。 ただ、シーズンの終わり方は悪くなかった。リーグ上位勢が参加するリーグ戦では、3試合に出場して2得点を挙げ、5月のクラブ最優秀選手に選出されている。 田川は昨年夏にハーツと2027年までの契約を交わした。5月の働きは良かったとしても、シーズン全体で考えれば、充実していたとは言えない。夏の去就に注目が集まる選手の1人と言えるだろう。