（写真：東奥日報社）

　青森県は8日、2012年から23年の青森県で働く30～34歳の基本給が、全国の新規大卒者平均並みで推移しているとの分析結果を明らかにした。青森県では30代になってようやく全国の大卒初任給水準に追い付く状況だ。人手不足や物価高、最低賃金の引き上げなどを背景に青森県の給与は上昇基調だが、全国と比べて低水準が続いている。 　同日、県庁で開いた県人口減少対策推進本部会議で公表した。給与水準は人口流出と関連があるとされ、県は所得アップや労働力確保対策の柱に労働生産性の向上を据え、2025年度事業の検討を進める。 　厚生労働省の賃金構造基本統計調査を基に、大卒者と高卒者を合わせた青森県の基本給を年齢階級別に分析した。直近の23年統計では、青森県の25～29歳の基本給が21万8千円、30～34歳が22万9千円、35～39歳が24万4千円。一方、全国の新規大卒者は23万7千円で、青森県の30～34歳基本給を上回っている。 　新規学卒者の基本給（23年）を比べると、大卒は青森県の21万5千円に対して全国は23万7千円、高卒は青森県の17万4千円に対して全国が18万7千円。いずれも青森県が1～2万円低い。 　会議では労働生産性向上に向け、業務効率化のほかにコスト高になった分の価格転嫁・付加価値アップも重要とする分析や、産業別の特性を踏まえた対策の必要性などを確認した。 　宮下宗一郎知事は「所得向上や労働力確保に向けた課題が示された。手法にとらわれずにあらゆる方策を考えて政策立案を進め、25年度事業に盛り込んでいきたい」と述べた。