大谷翔平投手の豪邸購入報道…大谷夫妻のセンスの高さと日米記者の反応の違いを米在住記者が「見た」
ロサンゼルス・タイムズ紙が23日(日本時間24日)、大谷翔平投手がロサンゼルス(LA)に豪邸を購入したと報じた。Googleの航空写真とともに、その豪邸の写真も掲載。記事が出た数時間後、ドジャースタジアムに集まった野球記者も当然その話題で盛り上がった。 【写真】ご近所に驚きの超大物ハリウッド俳優…野球つながり LAで多くのセレブが住む高級住宅地といえばビバリーヒルズやその近郊が有名。でも、大谷夫妻が選んだのは、ビバリーヒルズよりもずっと静かでこじんまりとしたラ・カニャーダ・フリントリッジだった。豊かな緑に囲まれた景観の美しさと山の手の高級住宅地の品の良さを兼ね揃え、治安も学区も良く、洗練された人々が集う街。しかも、なんと言っても、渋滞が当たり前のLAで唯一と言っていいほど渋滞のない、ドジャースタジアムまで車で約20分の距離という、大谷選手にとっては理想的なエリアだ。「静かに暮らしたいセレブが好む街」を選んだ夫妻のセンスの良さは、さすがと感じた。 ちなみにここには映画俳優のケビン・コスナーや女優のアンジェラ・バセット、歌手のマイリー・サイラスや、多くのプロスポーツ選手が住んでいる。 大谷夫妻の新居が当地に決まったと知った、私を含めた米国在住記者たちは、「おー、なるほど、そこがあったか」と感心したり、「ナイス・チョイス! 子供を育てるにも最適だね」と誰もが笑顔。まるで親戚の新婚夫婦が新居を購入したような祝福ムードで会話が弾んだ。 一方、日本から出張で来ている記者たちの多くは、この報道に戸惑っているようだった。「これは個人情報だから不適切では?」と心配していた。それは確かにそうなのだが、ただ単に日米の不動産登記の情報開示システムの違いではないかと思う。自分の家の場所を報道されて喜ぶ人が少ないのは、日米同じ。ただ、米国では日本に比べて、容易に不動産の所有者など詳細を調べられる。 州や市によって法律やシステムは多少異なるが、不動産を売買する際には所有権を書類にして管轄区に届け出る必要があり、届けられた書類は行政にリクエストすれば誰でも見ることができる。ロサンゼルス郡にも、容易にリクエストできる公的サイトがある。そのため、セレブだろうが一般人だろうが、不動産の所有者情報を隠すのはなかなか難しい。 「アメリカ人は人生で最低3回、家を買い替える」と言われるように、不動産売買が頻繁に行われる米国では不動産売買のサイトもたくさんある。有名なところでは「Zillow」。ここで物件を探すと、価格はもちろん、詳細な写真やこれまでの売買歴と当時の値段、コミュニティーの雰囲気など様々な情報がわかる。私も実際にこのサイトを見ていて「これは…」という物件があったのでクリックしたら、それがまさに本日の話題の一軒だった。トイレの数はもとより、ガレージには何台まで車を駐車できるかなど情報が詳細に明記されていた。米在住の私でも「こんなに簡単に家の情報がわかってしまうのは、いかがなものか」と焦ったほどだ。 観光都市・LAには「ビバリーヒルズのセレブ豪邸を巡るツアー」があり、世界中の多くの観光客が参加している。とはいえ、このツアーは住んでいる人たちには迷惑に違いない。この日、大谷夫妻が住む家は公開された。しかしながら、この地域がビバリーヒルズ化しないことを切に願う。そこは日本が誇る宝、大谷選手のいこいの場所なのだから。 (通信員・村山 みち)
報知新聞社