「触れるだけで膿と血がついて激痛」奈美悦子 20年かけて寛解した掌蹠膿疱症性骨関節炎「当たり前の幸福に気づけた」
── 経過はいかがですか? 奈美さん:退院後は家でリハビリに取り組んでいます。お医者さんいわく、「ふつうは3か月で50~60%治れば順調なほうで、1年経てば90%治るでしょう」とのことでした。でも私としては、もっと早くしたい。病院でリハビリの方法を覚えて、家で毎日実践していたら、どんどん動くようになってきて。「まだ3か月経ってないのに80%よくなっています、こんな人は初めてです!」と、お医者さんにすごくほめられました。この歳になるとほめられることなんてないから、もううれしくて(笑)。一生懸命リハビリしたかいがありましたね。ケガをしたときはトイレにも行けなかったけれど、いまは両手で顔が洗えるし、料理だってできる。本当にありがたいなって思います。
── ポジティティブですね! 奈美さん:病気やケガをしたときに学んだのは、「これができない、あれができない」と考えるのはやめようということ。「昔はできたのに」って、言い出したらきりがない。でも、「あれもできた、これもできた」と数えるようにすると、ラッキーだなって思えてくるじゃないですか。でもやっぱり人間だから、喉元過ぎれば痛みを忘れて、できることが当たり前になってしまったりもする。だから何かあったときは、「忘れていたことを思い出させてくれたんだ、よかったな」と思うようにしているんです。
PROFILE 奈美悦子さん なみ・えつこ。1950年12月27日生まれ、奈良県出身。13歳のとき1500人の中から選出され、西野バレエ団に入団。1967年『文吾捕物絵図』(NHK)で女優デビュー。女優・歌手・タレント・コメンテーターとして数々のドラマや映画、バラエティ番組に出演し、幅広いジャンルで活躍している。 取材・文/小野寺悦子 写真提供/オフィスPSC
小野寺悦子