「人生の節目に食べたからあげクン」1個40円ちょっとのコンビニ食に救われた日々。41億食突破の国民食にまつわる思い出
#13 からあげクン
3食コンビニグルメ生活の漫画家・神ノ裂さんが描くコンビニグルメ漫画『限界社員スズキさんの癒されコンビニグルメ』。いまや国民食となったローソン「からあげクン」の思い出とは…。 【漫画を読む】クリスマスに社畜たちが「からあげクン」で癒される
あの日のからあげクン
2023年を締めくくるコンビニ商品として「からあげクン」を食べました。私の人生の節目節目で食べてきた思いで深い出深い商品です。 私は画業に携わる前に、ある病院の職員として 6~7年ほど医療に携わっていました。 大学在学中に資格を取り、新卒で入職。部署は自分を含めて4名で、同期はいませんでした。 毎日必死に勉強や業務に取り組んでいましたが、 身近に相談できる相手がいなく、何度も同期がほしいなあとうらやましく思っていました。 そんななか、6年目に別の部署に異動することに。 また専門分野が変わるので勉強し直さないといけないため、テンションが落ちたのですが、同時期に2つ年上の同じ職種の職員が転職してくることになり、6年目にして同期ができました。 一緒に仕事を覚え、相談し合い、 プライベートでも飲みに行くこともあり、同期がいなかった自分としては、初めての社会人の友達でした。 そのうち、帰宅の時間が合えば一緒に帰るようにもなりました。同期の車に乗せてもらい、家まで送ってもらう。そのお礼としていつも奢っていたのが…ローソンの「からあげクン」でした。 定番のレギュラー、北海道チーズ、一番好きなレッドに始まり期間限定商品のレモンペッパー、辛さ5倍レッドスーパー、旨辛キムチ、ゴマラー油。ときにはポケモンコラボで「マイルドカレー味」なんてのも(今思うと2018年当時は辛いものが多かった)。 当時「30億食突破!!」と大々的に広告していました。 そんな日々が半年ほど過ぎたころ、職員としてある程度経験を積んでいたからこそ、自分を俯瞰で見られて、今後携わる業務、学会、論文、資格取得…と今後の職場での道筋が見えるようでした。しかし、私は趣味で続けていたイラストや漫画で少し仕事がもらえるようになっていたこともあり、仕事を退職して画業1本で食っていくことを決めました。 最初に同期に相談して、仕事をやめることを伝え、そのあと親に連絡しました。辞表を出すまではかなりスピーディーだったことを覚えています。 年度末にやめることになり、残り半年間も変わらず家まで送ってもらっていました。自分で決めたことなのに、不安がっていた自分を車の中で励ましてくれた同期。最終日に家まで送ってもらった車の中にも「からあげクン」がありました。 人生の節目に食べた「からあげクン」。 あれから5年が経って、41億食突破した国民食「からあげクン」。あのころと変わらず、仕事が終わった後のご褒美である「からあげクン」を楽しみに、今も仕事をがんばっています。
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