肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回
ついに互いの想いを吐露し、肌を重ねたまひろと道長。しかし、その恋路は平坦なものではない。 【画像】なまめかしく肌を重ねる…まひろと道長 想いは募っているのに、距離は近づいたはずなのに、また少しずつ離れていく、そんな2人のもどかしさを描く第11回をレビューする。
クーデターの成功
危ない綱渡りだった。 ギリギリの賭けではあったが花山天皇(本郷奏多)を退位させることに成功した兼家(段田安則)。自分の孫を一条天皇として即位させ、自身は摂政へ。そして、わかりやすく自分の息子たちを昇進させた。 何があったのか、当の本人たちは煙に巻いているが、大半の人間は「藤原家の企みが成功したのだろう」ということを察している。 察しているけれど、どうすることもできない。 でもそんな中、道長にさらっと「どうやって真夜中に帝を連れ出したの?」って聞いてしまう斉信(金田哲)がすごい。
兄弟間のわだかまり
このクーデターの成功により、誰よりも利を得たのは道隆(井浦新)だろう。事実上、トップに立った兼家の後を誰が継ぐか、と言えば、長子である道隆だ。 兼家が安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に道隆一家を会わせているところからも、その意思が伝わってくる。息子の伊周(三浦翔平)も登場。ちょっと生意気なことを言ったりしていて微笑ましい。そんな道隆一家に意味深な視線を向ける晴明……。彼らの先を見通しているのだろうか。 そして、道隆一家が登場ということは、定子も初登場。物語のキーマンとなる定子様の登場……。昂まる。 が、納得がいかないのは道兼(玉置玲央)だ。今回のことのために体を張ったというのに、兄ばかりがいい思いをしている。兼家はどうにかなだめたが、道兼の心は今後どうなっていくのか……。
父のために奮闘するまひろ
花山天皇の退位で、大きな影響を受けたのがまひろ(吉高由里子)たちだ。父・為時(岸谷五朗)は官職を失った。 為時は最初、兼家の間者の役割を果たしていたが、花山天皇から信頼を得たことで良心が痛んでいた。間者としての役割を解いてほしいと頼み、受け入れられ、喜んだのはつかの間。そのまま花山天皇の治世が続けばよかったのだが、状況は一変。兼家が摂政になってしまっては、もはや為時に復帰の芽はない。 まひろは倫子(黒木華)に父・源雅信に為時を推挙してほしいと頼むが、きっぱりと断られる。摂政の決断=天皇の決断であるため、それは難しい、と。 さらに、まひろは兼家のもとを訪れ、直談判。一度、自分に背いた者に情けはかけない、とこちらもすげない。 まひろは行動力がとんでもないのだけれど、やはりお嬢様である。向こう見ずというか、世間知らずというか……。 そんなまひろの行動を知った宣孝(佐々木蔵之介)は度胸があると褒めて笑う。そして、家計が心配ならば婿を取れば良い、と助言。北の方にこだわらなければいくらでもいる、若くて富のある男が良い、と。まひろとしては妾になるのは気が進まない……けれど、家柄的に正妻は難しい。なんだか生まれたときから人生が決まっている感じがしてなんとも難しい。