マウスやキーボードなどの満足度が高いと仕事もはかどる?
デル・テクノロジーズが周辺機器ユーザー1,000人に対する「周辺機器の購入・利用実態調査」を実施、その結果を発表した。 【画像】周辺機器への満足度が高い人は、働く環境の充実度や会社に対する愛着・帰属度などが高い結果くなる傾向が見られた 周辺機器は働くシーンにあわせて使われ、その満足度が高いと働く環境への充実が高い傾向にあるという。つまり、役にたつ周辺機器を適材適所で使えるだけで働く環境は格段に向上するということだ。 ■自分で買う周辺機器、自分では買わない周辺機器 調査結果を眺めると、おおむね妥当なものばかりだが、その購入実態に興味深い項目があった。それは、周辺機器の購入方法として、主に仕事で使用する周辺機器ではあるものの、「マウス」、「キーボード」、「ヘッドセット」、「イヤフォン」、「変換アダプター」は、2割から3割の人が自費で購入しているという実態だ。 会社の経費で購入、または会社から支給、貸与されている周辺機器への満足度は、「やや高い」が6割以上を占める一方で、「とても満足している」は1割以下にとどまる。こればかりは譲れない、最高のものを使いたい、少しの出費で大きな快適さが得られる、だから自費購入につながるのだろう。 一方で同じく仕事で使う周辺機器ではあるものの、「ドッキングステーション」、「外付けWEBカメラ」、「ポータブル会議用スピーカーフォン」は6割が会社の経費、会社の備品、会社からの支給または貸与品だ。 「プライバシーフィルター」、「セキュリティーロック」など、セキュリティーに関わる周辺機器は、会社経費で購入または会社から支給されたものを使用し、「イヤフォン」、「モバイルバッテリー」、「PC用ケース・PC用スリーブ」など、持ち歩きに活用する周辺機器は自費購入が多い結果になっている。 それほど高価なものではないのに、会社は購入してくれないから、自分で購入するということだ。調査結果からはそのボーダーがよくわからないが、自腹購入するかあきらめるかの境目は1万円あたりだろうか。 ■「有線マウス」の指定はケチなのか、それともセキュリティか デル・テクノロジーによれば、同社の顧客がPCを調達する際には、周辺機器もいっしょにオーダーするが、たとえば、デスクトップパソコンに必須のマウスでも、要件として有線接続のものと指定があるケースが少なくないそうだ。 IT機器を使わせる側と使う側の論理が異なるのはある程度仕方がないが、使わせる側が相当のケチであるという事実がここで浮かび上がる。海外では、こうした傾向はあまり見られず、使いやすさや便利さ、使い心地などが優先されるそうだ。 もっとも、有線マウスを選ぶのは、コスト以外に、パソコンとのペアリングで混乱することもなく、対となる組み合わせがわからなくなったり、紛失したりする可能性をできるだけ回避するという面もあり、ケチ評価に結びつけるのは酷かもしれない。 ■触って選べる周辺機器の売り場が広がってほしい また、意外だったのは、ケースやスリーブなど、会社貸与のパソコンを持ち運ぶときに、それを保護するためのグッズが自費購入される傾向が高いという点だ。 どうせ会社の買ったPCなのだから、多少乱暴に扱って壊れても会社がめんどうを見てくれるという風には考えないらしい。それとも持ち歩きに際して、あてがわれた何の変哲もない通り一遍の平凡なバッグには耐えられず自前購入に走るということなのか。 デルではPC収納を前提としたバックパックやキャリングケースといったものも、メーカー純正の周辺機器カテゴリーのポートフォリオとして充実させている。PCのメーカーであるだけに、厳選された使いやすいものがたくさんある。 これらを手にとって感触やサイズ感、重さなどをリアルに確かめられる場がないのは残念だ。次のステップでは、こうした面の充実にも努力してほしいものだ。 ■ 著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。
山田祥平