2017年に初めて「楽しいひとり温泉。」の特集を組んでから、数々の名湯・秘湯・憧れの温泉宿や絶景サウナを特集してきたCREAが、過去からの選りすぐりに新たな取材を加えて再編集したこの1冊。47都道府県150軒以上の温泉宿を紹介するCREA Due「楽しいひとり温泉。2025」の一部を抜粋し、掲載します。 【画像】「ずわい蟹の釜茹で」は、多彩なメニューから選べる「アラカルト懐石」にて＋35,000円（時価）で提供。「蟹懐石プラン」は1泊2食付きで1室2名利用1名76,000円～。 　湯浴みに癒され、宿の設えや調度に和む。ひとり温泉の楽しみはさまざまですが、腕利きの料理人がこしらえるご馳走が待つ“憧れの湯宿に泊まる”という究極のご褒美旅を今年こそ。

北陸の旬と山麓の湯の麗しい時間

「ユニバーサルスイート」の檜風呂。冬になると水墨画のような雪景色に。

●山中温泉 花紫[石川・山中温泉] 　鉛色の雲ときりりとした北風が頰をつたう、寂寥感ある北陸の冬。癒しの湯がいっそう恋しくなる季節にこそ訪れたいのが、加賀温泉郷に佇む「山中温泉 花紫」だ。 　良質な温泉に加え、漁解禁の11月初旬より日本海で育った雄のズワイガニ「加能蟹」が夜のひとときを華やかに彩ってくれる。 　肉厚の身の美味しさがたまらない「釜茹で」、甘みが広がる「炭火焼き」、甲羅味噌をつけて味わう「温しゃぶ造り」といった、さまざまな調理法で供され、風味やふっくらとした食感が格別。 　旬の時期に産地に足を運び味わう贅沢がこれほどまでに心を潤すものかと至福に浸る。 　蟹づくしのコースは2名からだが、釜茹でなどは単品でひとりでも味わえ、カニを食べる時は無言、というがひとり旅との相性はいいのかもしれない。 　また、宿からほど近い橋立港を始め、金沢や輪島などから仕入れた地魚の逸品と地酒を合わせたペアリングもまた楽しい。

感性煌めく北陸のアートを散りばめた、温故知新の宿

　美食で満たされた後、部屋に戻ると“美”に包まれた時間が流れる。創業約120年の「山中温泉 花紫」は2021年より低層階の客室を少しずつリノベーションし、2024年10月には「アートスイート」が誕生。 　北陸のガラス作家のランプシェードや造形作家のオブジェなどが侘び寂びを感じるインテリアを美しく飾る。 　部屋風呂に入れば山深い鶴仙渓を流れる川のせせらぎの音が響き、心身ともに健やかさを取り戻せる。 山中温泉 花紫 所在地　石川県加賀市山中温泉東町1-ホ17-1 電話番号　0761-78-0077 ひとり料金　1泊2食付き72,000円～ ひとり対応　通年可(繁忙期を除く) アクセス　加賀温泉駅から車で20分。送迎あり(無料) 　続きはCREA Due「楽しいひとり温泉。2025」でお読みいただけます。