第二次石破内閣発足……「新しい民主主義」は根付くのか?
そして、国民民主党の玉木代表は「この新しい状況をまだ正確に表現する言葉を政治的に見つけ出していないと思う。経験したことがない新しい状況だ」と分析します。その上で「与党は野党でいい意見があったら取り入れる“寛容と忍耐”、野党は“責任と提案”。国益にかなう国会を作り上げていこうという意識が両者に新たに課せられた義務として生まれてきている」と、与野党それぞれの責任の重さを強調していました。 海外でもハング・パーラメントのケースはあり、多くの場合、多数派を形成して連立政権を組みます。しかし、時として不安定な政治状況になることがあり、最近でもドイツで連立政権の枠組みが崩壊、12月にショルツ首相に対する信任投票が実施されることになりました。日本でも31年前にこの状況になり、非自民・非共産8会派が集まり過半数となった細川護熙内閣が誕生しました。しかし、8カ月あまりで退陣。それ以降は一時期を除いて枠組みを変えながらの連立政権が続いています。 年末にかけて、政治改革、経済対策をめぐる議論が続いていくでしょう。現在の少数与党の政権で、どのようにして合意形成をしていくのか、政権が早くに瓦解するのか、新たな連立の枠組みができるのか……「新しい民主主義」とでも申しましょうか、それはある種の「実験」でもあり、ことによると学術的な研究テーマになる可能性もあります。これまで与党の数の力で決まっていた枠組みが変わることで、党首会談、幹事長会談に国対委員長会談、政調会長会談など、各党個別の協議の場が各段に増えていくことでしょう。よく「政治は結果」と言いますが、今回ばかりは合意形成のプロセスも重要です。その分、メディアの負荷も大きくなりますが、合意形成の行方を「歴史の証言者」として、真摯に見つめていくことが求められます。 経験したことがない新しい状況……玉木代表の発言は11月12日の定例記者会見のものででした。前日には、玉木氏の不倫問題が発覚し、本人が謝罪会見を行いました。定例会見はその翌日に開かれましたが、ある記者が(記者名を明かすことは、小欄にとって何の意味もないのであえて伏せます)不倫問題も含め、1人で約20分もの質疑を続けました。 その後、各社が挙手をして司会者から指名され、質問のマイクが回るようになりました。私にもマイクが回ってきましたが、そこへ前出の記者がマイクなしで割り込み、再び質問を繰り出してきました。私は1問だけやり取りが終わるのを待ちましたが、記者がさらに質問を続けようとしたため、お預かりしたマイクで“質問権”を行使した次第です。その際、私はうっかりして名前を名乗るのを忘れてしまいました。 そんな“裏話(事実のみ)”を付け加えておきます。 (了)