「本社と並ぶ設計拠点に」 プレス装置製造の北川精機、長崎技術センターを開所
電子回路基板を成形するプレス装置の世界屈指のメーカー、北川精機(広島県府中市)の設計開発拠点「長崎技術センター」が1日、長崎市御船蔵町の長崎駅前電気ビル内に開所した。内田雅敏社長は中期経営計画の2030年6月期売上高目標100億円達成に向け、「その1割以上を長崎で担いたい」と意欲を示した。 東証スタンダード上場企業で、24年6月期売上高は59億円。主力のプリント基板業界向けプレス装置はスマートフォン需要のほか、自動車の電動化やデータセンターの投資拡大など市場拡大が期待されている。同社は全て受注生産。内田氏は同センターを「本社に並ぶ設計開発拠点にしたい」といい、海外向けを含め自社製品全般を担う。 中野鉄構(西彼時津町)をはじめ地場企業との協業も推進していく。内田氏は「長崎で設計したものを長崎でつくるようになれば」と期待した。 同センターは5年間で設計エンジニア15人の雇用を計画している。入社間もなく配属された野中創太さん(23)=同市出身=は「ものづくりに深く関われると思い、志望した。県外に出る同世代が多いが、自分が頑張って地元で働く魅力が伝わるとうれしい」と話した。 同社はバスケットボールB1長崎ヴェルカをシルバーパートナーとして支援。県内2工業高の部活動に寄付するなど地域貢献にも力を入れる。