インテルと協力…産総研がEUV技術拠点を整備する狙い
産業技術総合研究所(産総研)は3―5年後をめどに極端紫外線(EUV)露光装置を使った先端半導体の研究開発拠点を開設する。米インテルがEUV技術の製造ノウハウなどの部分で協力する。投資額は数百億円とみられる。国内の半導体製造装置や半導体材料メーカーがEUV向けの技術開発に取り組めるように環境を整備する。 新しい研究開発拠点では企業が利用料を支払い、EUV露光装置を使った製造装置や材料の試作や試験ができるようにする。日本の研究機関としては初めてEUV露光装置を導入する。拠点の設置場所は今後詰める。 国内にEUV露光装置を使える環境を整えることで、日本が強みを持つ製造装置や材料といった分野での研究開発を促進する。海外の研究機関ではベルギーの国際半導体研究機関であるimecなどがEUV露光装置を保有し、開発を進めている。 EUV露光装置は回路線幅が微細な半導体の製造には必要不可欠だ。国内ではラピダス(東京都千代田区)が2024年中に北海道千歳市のパイロットラインにEUV露光装置を導入する予定。今後はロジック以外にもDRAMにもEUV露光装置が量産適応される予定で、利用分野は広がる。半導体製造装置や材料メーカーはEUV露光装置に適応した製品を供給することが競争優位の確保に欠かせない。