衆院選｜新潟2区

衆院選の県内選挙区の動向についてお伝えするシリーズ。4回目は【新潟2区】です。 裏金問題で、自民党から出馬を予定していた候補が非公認となり無所属、立憲民主党、日本維新の会の3つ巴の戦いの公算が高まっています。大票田の新潟市西区が新たな選挙区となり候補者の動きが活発化しています。 自民党から非公認となった細田健一さん。11日、事務所開きが開かれました。 ■細田健一氏 「(地元の支援者が)我々は全力で応援するとおっしゃっていただいた。その皆さん一人一人の声、顔を思い浮かべると私は、感謝の言葉しか今は思い浮かんでこない。助けてください、助けてください。」 涙ながらに訴えました。細田さんは当選4回。すべて自民党公認で旧新潟2区から出馬してきました。しかし、派閥から564万円のキックバックを受け取り、収支報告書に記載していない問題が発覚し戒告処分に。 9日、党本部が発表したのは細田さんを公認しないという重い処分でした。10日、緊急で選対会議が開かれ、細田さんは無所属での出馬を表明しました。 ■自民党 小野清一郎新潟市議 「先生、厳しい時でも笑顔でいきましょうね。」 ■細田健一氏 「震災、農業の振興、商工業の振興など、本当に様々な課題がありますから、それをしっかり取り組ませていただくと。これはもう、おひとりおひとりに私の訴えをきちんと届けていくということに尽きる。」 10日、細田さんの事務所では急な解散に伴って、選挙の準備が進んでいました。しかし、ここにきて自民党公認などと書かれた看板やポスターは使えなくなりました。党公認の場合、政党用ポスターを1000枚まで貼ることができますが、無所属の場合、ポスターは公営掲示板のみ。政見放送もできないなど、従来に比べ選挙活動に制限が生まれます。 そんな中、自民党県連は10日、独自に推薦を決定。各支部に細田さんの支援を呼びかけました。 ■加茂支部 森友和支部長 「個々にやりとりする中では、これは応援しなければダメだろと。どちらかといえば奮起する声の方が多い。」 勝敗を大きく左右するとみられるのが、新たに選挙区となった新潟市西区。2区で最も多い約13万人の有権者を抱え、全体の3分の1を占めます。細田さんの陣営関係者は「辻立ち、企業回りを繰り返して何とか知名度が上がってきたが、西区は立憲民主党が強い」と話します。 ■細田健一氏 「なかなか王道はないが、街宣を厚めにやる・県会議員・市町村議会の議員の先生方に熱心に活動をいただいているので、きちんと連携しながらやりたい。」 立憲民主党の菊田真紀子さん。 10日開かれた選対会議では、細田さん陣営の結束について発言が相次ぎました。 ■菊田陣営選対本部長 杉井旬県議 「向こうは党本部。けしからん、おれたちの力を見せてやると盛り上がっているそうです。」 ■立憲民主党 加藤大弥新潟市議 「菊田さん楽勝なんじゃないかとマスコミの方も言ってきたりしていますが、まったく逆ですよね。」 参加者からは、支援の引き締めを図る声が相次いであがりました。自民党県連が細田さんを独自に推薦したことについて、菊田さんは・・・ ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「裏金議員であっても、自民党新潟県連としては(候補者として)ふさわしいという人物であると判断したんでしょうけれども、果たして有権者がどう判断されるのか、それは大いにこの選挙戦で問わなければいけない。私しか政治への信頼を取り戻せる候補者はいないと思っています。」 菊田さんが力を入れているのが、区割りの変更となった地域での活動です。この日は、燕市・川前地区の運動会に参加しました。 ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「(燕市では)ほぼほぼ新人みたいなもので、なかなか大変です。」 これまで旧4区から立候補していた菊田さん。区割りの変更で、燕市をはじめとして多くが菊田さんにとって新しい選挙区となりました。 ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「意識的に西区には多く入りました。集会もやりました。一番有権者が多いところですので、ある程度、菊田真紀子の顔・名前浸透し始めてきたのではないかと思います。」 新しい区割りで臨む選挙で訴えるのは、生活に密着した政策です。 ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「地方が疲弊している中、やっぱり地域で安心して生きていけるという、そのための経済対策、これは物価高を含めて雇用政策、子育て支援。」 同じく2区から出馬する細田さんと顔を合わせました。これまでの選挙では、菊田さんは旧4区、細田さんは旧2区から立候補していて、次の選挙で初めて相まみえます。 ■参加者 「菊田さんと握手)がんばってね～。」 ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「こちらにも激励を。」 ■細田健一氏 「よろしくお願いします。」 立憲民主党の代表選では、野田佳彦さんの推薦人に。野田さんの代表就任後、菊田さんは常任幹事会議長となり、初めての執行部入りとなりました。 ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「私も精一杯支えていきたいし、これがラストチャンスだと。ぜひ政権交代に近づけるよう頑張っていきたい。」 運動会では急遽、レースに参加することに・・・ ■立憲民主党 菊田真紀子氏 「目がまわった。選挙よりきつい。」 日本維新の会の井上基之さん。 細田さんが無所属での出馬となることで影響は・・・ ■日本維新の会 井上基之氏 「自由民主党の組織票がどこまで動くか分からないが、一定の受け皿として改革保守を掲げる日本維新の会、そして私、支部長の井上としては、しっかりと訴えを続けていければと思っています。」 裏金問題で離れた保守票を取り込めると考えています。 ■日本維新の会 井上基之氏 「ブレブレの政権与党の今の状態、そして変わらない政府与党の体たらく。日本維新の会は古い政治を打ち破る。これを掲げて、しっかりと国民の皆さんに政治資金問題の解決や新しい国の形お示ししていければと思っています。」 社会福祉法人の理事長を務める井上さんは、これまで2度・新潟市中央区から県議選に挑戦し、いずれも落選。今回、出身地の新潟市西区が含まれる2区から国政に初挑戦します。まだ、県内選出の国会議員がいない日本維新の会の党勢拡大をめざすと話します。 ■日本維新の会 井上基之氏 「福祉とか社会保障、この大きい枠組みに自分の専門性があると思っている。そうしたときには実は、国政が大きく制度にアプローチできる。」 井上さんにとって新潟2区は、去年9月に出馬を表明するまで国政の政治基盤が一切なかった地域。およそ1年間で選挙区内に900枚のポスターをはりました。地域の声を聴く中で、裏金問題への批判も聞こえるといいます。 ■日本維新の会 井上基之氏 「経営者層は自民党を応援している方が多かったが、今回は自民党にお灸をすえなきゃいけないとか、今回は井上さんを応援しますよと言う声は本当によくきく。」 街宣車の車内でも欠かせないのが"SNS"です。 ■日本維新の会 井上基之氏 「ありとあらゆるSNSを活用させてもらっているので、双方向性を重要視するとなると、あいている時間をすべて活用していかないと、なかなか難しい。」 この日は、Youtube撮影に臨みました。普段は政策に関連した動画が多いといいますが、今回はあえて、井上さんの人となりがわかる動画を作成するといいます。この日のテーマは『井上基之に50の質問』です。 ■日本維新の会 井上基之氏 「（Q.休日の過ごし方は？）今は政治活動ですけど、子どもの野球一緒にやったりとか、家族とお出かけしたりですかね。」 ほとんどが政治とは離れた質問です。2区では唯一の新人での出馬が見込まれ、知名度アップが課題と話す井上さん。地上戦に加え、いわゆる空中戦を駆使したい考えです。 ■日本維新の会 井上基之氏 「人物本位で有権者の皆さんに選んでもらうことも大事だと思っています。」