マドリー戦でCLデビューのチェイス・アンリにスペイン人アナリストが驚愕! 「あのタフすぎるシチュエーションにおいて、まったく動じるところがなかった」
20歳のチェイス・アンリが、レアル・マドリー戦で堂々のチャンピオンズリーグデビューを果たした。0-1で負けていた63分からの途中出場で、与えられたポジションは本職のCBではなく右サイドバックだった。 【動画】チェイス・アンリがデビュー! CL1節マドリー対シュツットガルトのハイライトをチェック! もっとも彼が所属するシュツットガルトの最終ラインは、左サイドバックのマキシミリアン・ミッテルシュテットが高い位置を取る左肩上がりの3バック気味になることが多かった。おそらくはチェイス・アンリの1対1の守備能力を買って、マッチアップするヴィニシウス・ジュニオールの突破を封じ込めようとしたのだろう。 実際、チェイス・アンリがヴィニシウスより高い位置を取ることは稀で、途中出場直後に振り切られてクロスを上げられた場面を除けば、ほぼ完璧に封じ込んでいた。さらにヴィニシウスとの位置関係を常に図りながら、ビルドアップにも関与。縦パスで攻撃のスイッチを入れたり、機を見て敵陣深くまで駆け上がるなど、攻撃面でも能力の高さを見せた。 このチェイス・アンリのプレーを初めて見て、驚いたと語るのが、スペイン人アナリストとしてサッカー専門誌『パネンカ』などに寄稿しながら、サッカーを専門としたビッグデータの分析を行なう『Driblab』に所属するアレハンドロ・アロージョ氏だ。その驚きの理由を説明してくれた。 「マドリー戦では右サイドバックとしてプレーしていたが、彼の守り方から本職はCBだと一目で分かった。スピードスターのヴィニシウスに対し、適度な間合いを取りながらドリブルのコースを切っていたが、一瞬の加速力でかわされた最初のシーン以外は、無難に対応していたと言っていいだろう。フィジカルの強さを活かした対人戦に自信を持っているのが伝わってきたし、ポジショニングにも非凡なものが感じられた。あとは、揺さぶられた時や背後を取られた時にどういった対応を見せるかだ」 「この日は、広いスペースをカバーしなければならないシーンはなかったが、相手を十分に引きつけてからパスを出すあたり、足元にも自信を持っている様子だ。軽快にショートパスを交換し、ビルドアップの出口になっていた。なにより驚いたのは、0-1と緊迫した状況でサンティアゴ・ベルナベウのピッチに立ち、ヴィニシウスやキリアン・エムバペと対峙しなければならないという、経験豊富なベテランにとってもタフすぎるシチュエーションにおいて、まったく動じるところがなかったことだ。これはこのレベルで活躍するには絶対に欠かせない要素だ。チェイスは今後、日本代表でも徐々に存在感を発揮していくだろう。非常に楽しみな選手だ」 68分にCKのチャンスから一時同点としたシュツットガルトは、83分と95分にマドリーに追加点を許し1-3で敗れたが、チェイス・アンリは戦前の「自信しかないです。やるしかないですよ」の強気の発言通りの、自信に裏打ちされたポジティブなパフォーマンスを披露した。 文●下村正幸
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