2年かけたのに工事やり直し…トンネル工事で「穴だらけ」専門家ら『やはりずれているなと』現地調査で明らかになったずさんな工事の実態「厚みがたった3センチ」
現場所長「厚さ不足と認識も数値偽装し検査通した」
県が問題公表して約半年後の今年1月にようやく施工会社の「浅川組」が会見を行い謝罪しました。浅川組などによりますと、今回のトンネル工事を担当した現場所長はこれまでに17件ものトンネル工事を担当し、社内でも経験豊富で「トンネル工事」と言えばこの人と称される“敏腕社員だった”ということです。 浅川組は委員会が作成した提言書も公表、その中で所長はヒアリングに対して、「覆工コンクリートの厚さが確保できないことを認識しながら、本社に相談することなく工事を進め、数値を偽装して検査を通した」と回答したということです。
『コンクリ全てはがす』工事はまた2年かけてやり直しへ
補修工事は「ほぼ全面的にやり直す必要がある」と検討委で判断されました。浅川組は補修工事を去年12月から開始、トンネルは去年12月から供用開始の予定でしたが、2年遅れる見込みだということです。県によりますと、浅川組は和歌山県内で2005年~2019年にかけて11のトンネル工事に単独もしくはJVの形で関わっていたということですが、県は今回以外のトンネルについても施工不良がなかったかを全面的に調査を行う方針です。 県はトンネル内の覆工コンクリートをはがす作業を5月までに完了させたいとしています。本来であれば去年12月には供用開始の予定だった「八郎山トンネル」、いつ起きるか分からない災害に備えて、丁寧な説明と一日も早い工事完了が求められるのではないでしょうか。