ミームの時代にようこそ──ミームとゲーミフィケーションは金融を変えている
内輪のジョークで笑いながら、友達とお金を稼ぐ? これ以上のものがあるだろうか? ミームが金融を乗っ取ろうとしている。そして、コミュニティフォーラム、数日で生み出される滑稽なほど莫大な富、時に下品なユーモアの裏では、途方もなく意義深いことが起こっている。
ミーム:単なるJPEG画像以上のもの
表面的にはミームは、インターネット上を飛び交う写真や動画に過ぎない。テキストメッセージ、ソーシャルメディアのタイムライン、コミュニティフォーラムなどでやり取りされている。 ミームを見くびり、ユーモラスさ以上のものを含んでいる可能性を否定するのは簡単だ。ミームは、デジタルネイティブな方法で、さりげなくも強力なカルチャー的意味を伝達する。あるコミュニティやカルチャー圏で流行しているミームは、ある時点でのその集団やその価値観について何かを象徴することが多い。 ブロックチェーンテクノロジーは、デジタルネイティブなものであればほぼ何でも金融化する能力を持つ。そのため、暗号資産(仮想通貨)が長年にわたってミームカルチャーを取り込んできたのは当然のことだ。 しかし、ミーム化した金融は暗号資産に特有のものではない。ミーム化された金融は、伝統的金融(TradFi)とWeb3金融にまたがって、強力なオンライングループを結びつけてきた。そして今、金融のゲーミフィケーションは、まだ初歩的なものではあるが、新たな前途を明らかにしつつある。 伝統的金融の世界では、2021年にオンライン掲示板レディット(Reddit)のあるコミュニティが、コミュニティ・ファースト、アンチ機関投資家、アンチ良識的金融の先駆者となった。それはゲーミフィケーションとユーモラスなミームカルチャーと深く、緊密に結びついていた。 すなわち、レディットのコミュニティ「r/wallstreetbets」は、伝統的金融に激しく反発して株式市場をゲーミフィケーションし、その成功をユーモラスなオンライン投稿で称え合った。 暗号資産の世界では、ミームコインは常に大きな役割を果たし、ミームや市場のゲーミフィケーションの力によって、一般的に広まるコミュニティ優先の金融にアピールしてきた。 ドージコイン(DOGE)のような初期のミームコインの後には、NFTコレクションのようなユースケースに特化したバージョンが続き、現在ではソラナ(Solana)のような次世代の低コストブロックチェーンが加速させている。 このことは、現在進行中の議論を提起している。ミームコインが成功するためには本質的な価値が必要なのか、それともコミュニティの熱狂的な支持と参加で十分なのか? 「価値」とは、確かなロードマップや実用性のことなのか、それとも活気あるコミュニティやそれらが生み出すカルチャーにこそ真の価値があるのだろうか? おそらく、ミームコインの真の価値は、伝統的な金融の指標に従うのではなく、人々を団結させ、参加させる能力にあるのだろう。