アンミカは人気タレントに優しく「普通の人」が嫌い? フワちゃんの遅刻は許すのに「乾杯を待たせる女性」を批判
ベッキーと重なるポジティブキャラ 「普通」の人に向ける厳しい目線
逆に言えば、乾杯すら待てないアンミカさんが、フワちゃんの3時間の遅刻は大目に見るというのはそこに何らかの得があるからだ。実際にアンミカさんは「フワちゃんの友達」としてバラエティー番組の席を確保され、何度もこのネタは電波に乗って世間を沸かせた。旅行にはアンミカさんの夫も来ており、フワちゃんのルーズさに怒っていたというが、夫よりも青山さんよりも、フワちゃんの機嫌を損ねないことを最優先するというのは、ポジティブというよりただの打算に過ぎないのではと疑ってしまう。 ポジティブキャラの失敗で思い出すのがベッキーさんだが、彼女もまたトラブルを強引に言い換えるのが得意な人だった。流出した不倫相手とのやり取りでは、離婚届を「卒論」と呼んで話題に。週刊誌の直撃後も、「お友達で押し通す予定! 笑」「(関係が)オフィシャルになるだけ!」と楽しげにやり取りする様子は、事務所にもスポンサーにもファンにも、そしてお相手の妻にも、全く罪悪感が感じられないと大ひんしゅくを買った。有吉弘行さんに「元気の押し売り」というあだ名を付けられていたが、ポジティブを通り越して無神経で傲慢(ごうまん)なタレントだと好感度は急降下。今もイメージはなかなか回復しない。 押し売りといえばアンミカさんも、通販番組での強烈なセールストークが大きなインパクトを残した。あの「白って200色あんねん」という迷言しかり、目の前の事柄を無理にでもキャッチーに変換する言語化能力の高さはすごい。 けれども彼女たちの口の達者さは、ポジティブな言い換えというより、都合の悪いことからは目をそらすことにつながってしまっていないか。何がなんでも言い換えないと気が済まない二人には、「普通であること=悪い」という強迫観念めいたものさえ感じるのだ。 ファッションひとつ取っても、二人の思考はよく似ている。以前のベッキーさんは「黒はお葬式の色だから」と避け、カラフルな組み合わせを好んでいた。アンミカさんも「朝一番に選んだ色は、正直に今自分が欲している色」「世の中の人が共通して持っている波動や気持ちも」反映したいと、鮮やかな色を取り入れるという。 服選びひとつとっても何か良い意味を見いだすのがわたし流、無難な色なんてつまらない。変わった例えで面白がられたい。一般女性の気持ちを気遣うより、マナーに反する芸能人といる方が刺激的でおトク。徹底して「特別」な側であろうとする承認欲求の強さは、ポジティブというよりアグレッシブな圧となって、視聴者に胸焼けを起こさせているのではないだろうか。