那須川天心戦から4年ぶり!41歳”ミスターRISE”裕樹が引退撤回、復活の理由と不安も語る
10月30日(水)キックボクシング団体RISEの会見が行われ、20年11月に那須川天心にKOされ、引退したRISE3階級王者・裕樹(41=ANCHOR GYM)が電撃復活を発表した。 裕樹は4年越しの復活の理由を「同世代の頑張り」と刺激を受けたと語り、しかしイーファイトの取材には「不安も多々ある」と吐露した。 【フォト・動画】那須川天心が容赦ないKO!裕樹が引退試合で大の字に 裕樹はRISE黎明期から第一線で戦い続け、スーパーフェザー(60.0kg)、ライト(63.0kg)、スーパーライト(65.0kg)の三階級を制覇した名王者。その圧倒的な功績と存在感から”ミスターRISE”の異名を持ち、ロッタンをも効かせた強烈なローキックを武器とする。20年11月、那須川に2R KO負けを喫し、引退していた。戦績は46勝(30KO)26敗2分。 会見に登場した裕樹は「来年復帰戦をしたい。那須川天心選手との引退試合までは第一章、今日から第二章の幕開け」と4年前の引退を撤回する。 復帰のきっかけは「同じ年代の選手が頑張っている。城戸康裕選手もブアカーオ選手も同じ年。一番の決め手は“狂拳”竹内裕二選手」だと言う。 裕樹と竹内も同じ41歳でK-1、そしてRISEで2度激闘を繰り広げている戦友だ。竹内は今年9月、Krushで3R KO負けしている。 裕樹はその試合を後楽園ホールで観戦したと言い「すげえなと、ぐっと来るものがあった。負けた勝ったではなく“俺も出来るんじゃないか、頑張ってみよう”」と心に来るものがあったと言う。 階級は現時点では決まっていないが「60kgか63kgで戦ってみたい。大雅選手、中村寛選手にはすごく興味がある。戦ってみたい」とし「だらだらやることは考えていない。でも無理だと思っていない、もう一度チャンピオンベルトを巻きます」と、ベスト階級で王座を獲りに行くとする。 この4年間「身体を鍛えることはしてきたが、試合で勝つためのトレーニングは一切していない」と、“まっさら”からのリスタートだとのこと。 74戦の激闘で「ボロボロの身体」だったが「左ヒジや右の手首偽関節等の手術を4回して、かなり回復した。4年前の那須川選手とやった時より強い裕樹が見せられる」と身体を治してきたと言う。 しかし、41歳で4年の空白、不安は無いのか。尋ねると裕樹は「不安は多々ある。どれだけ打たれても大丈夫なのか。いざ試合で本気の殴り合いになった時、自分の身体がどう反応するか。反応速度や、動体視力の問題。反応や反射が落ちているのは感じていた」と年齢による不安はあると認める。 その上で「集中力をもう一度上げてゆく練習をしてゆく。チャンピオンたちのいるジム、厳しい環境に身を置いてゆく」と集中力を高めることで衰えを補っていきたいとする。 家族は当初反対していたが「1対1で想いを話して納得してもらい、背中を押してくれている」と現在は応援しくれている。 また引退試合の相手を務めてくれた那須川天心にも、父・弘幸氏を通じ「感謝と改めて頑張りたいという気持ち」を伝えていると言う。 RISE伊藤隆代表も「心配な部分もあるが、裕樹という男はやるといったら、言うことを聞かない。年齢はただの数字と証明するのでは」と温かく見守る方針だ。 会見の後は「竹内選手のジムに行く」と上京のついでに戦友と練習するつもりだ。 準備期間は「半年後、暖かくなったら減量もやりやすい、4月くらい」と見据える。裕樹の第二幕は桜咲くか。