ウニクレディトCEO、コメルツ銀経営陣への参画は目指さない
(ブルームバーグ): イタリアの銀行ウニクレディトのアンドレア・オーチェル最高経営責任者(CEO)は、最近保有株を増やしたドイツのコメルツ銀行について、監査役会のメンバー入りを目指すことはないと語った。買収反対の声が強まる中で、コメルツ銀に対する次の一手をオーチェルCEOは検討している。
オーチェル氏は25日にバンク・オブ・アメリカ(BofA)主催の会合でウニクレディトのコメルツ銀保有株に言及し、「自分は通常、経営に参画している投資家を信用しない」と発言。「われわれは競争相手でもある。われわれが経営陣のメンバーに入るのは不適切だと思う」と述べた。
ウニクレディトはコメルツ銀の持ち株比率を20%余りに引き上げ、オーチェル氏は完全買収に踏み切る可能性も排除していない。だが、ドイツ政府や労働組合、コメルツ銀自身からの頑強な抵抗に遭い、同行の新CEOに指名されたベッティーナ・オルロップ最高財務責任者(CFO)も24日遅く、ウニクレディトによる買収には反対であることをあらためて表明した。
コメルツ銀の新CEOにオルロップ氏-競合行の買収アプローチに対応
オーチェル氏はこの日の会合で、コメルツ銀の業績は改善できるとの見方を強調。自身の提案がコメルツ銀に受け入れられれば業績改善に寄与できるとして、その証拠にウニクレディトの方が利益率が高いことを挙げた。
「投資家として、他の全ての投資家と同じ情報が得られると期待している」とオーチェル氏は述べ、「投資家は『これはどうか、あれはどうしているのか、これやあれは試したのか』と議論を挑んでくる。われわれもそうできるだろう」と続けた。
オーチェル氏はウニクレディトの株主還元計画も更新し、今年の配当金を86億ユーロ(約1兆3900億円)、来年から現金配当の割合を40%から50%に引き上げることを確認した。ウニクレディトは「欧州で最も効率的な銀行」だとし、自分ならコメルツ銀の資本をより効率的に活用するだろうと語った。