通常国会召集、どんな国会になる? 昨年は66本の法律が成立
第196国会(通常国会)が22日に召集されました。安倍晋三首相は施政方針演説で、「働き方改革」の実現や与野党での憲法改正論議の前進を訴えました。今年の通常国会はどんな国会になるのか。参考に、直近の通常国会である昨年の通常国会を振り返ってみます。 【図】予算委員会はなぜ予算以外の議論をするの?
共謀罪法や天皇退位特例法など成立
年1回開かれる通常国会は、150日間という長い会期(延長の可能性もあり)が設定されていて、予算案のほか重要法案が審議されます。2015年の通常国会では9月まで会期が延長された末、安全保障関連法が成立しました。 昨年2017年の通常国会は1月20日から6月18日までの会期で開かれました。内閣提出法案は継続審議分も含めて66本が成立。その中には、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法や天皇陛下の退位を一代限りで認める特例法のほか、性犯罪の厳罰化へ110年ぶりの大幅改正となった刑法、小選挙区の区割りを改定する改正公職選挙法が含まれます。
「森友・加計」国会でもあった昨年
昨年の通常国会というと、学校法人「森友学園」の国有地売却や「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題の印象が強くあるでしょう。 紀尾井町戦略研究所によると、2月上旬に報じられた森友学園問題が、衆院の予算委員会で初めて取り上げられたのは2月17日。その後、予算案が衆院を通過した27日までの5回の委員会すべてで取り上げられ、23日以降の委員会では計13時間のうち、半分ほどが予算案ではなく、森友問題の追及に費やされました。問題が大きく報じられ始めた時期と重なる参院の予算委員会ではこの傾向が顕著で、2月28日の委員会から予算が成立した3月27日まで、質疑が行われなかった3月17日を除き、計14回の予算委員会で取り上げられることになりました。 今年の通常国会は、安倍首相が掲げる「働き方改革」の関連法案の審議が重要法案の位置づけになり、与野党で激しい論戦になることが予想されます。また憲法審査会などでの憲法改正をめぐる議論も注目されます。一方で、スーパーコンピューター開発をめぐる国の助成金詐欺事件も発覚しており、この問題の予算委員会での追及も、国会審議の行方に影響を与えるかもしれません。