日銀、国債補完供給の要件緩和を継続 チーペスト銘柄品薄に対応
Takahiko Wada [東京 16日 ロイター] - 日銀は16日、国債先物取引の受け渡しに用いられる「チーペスト銘柄」について、今後も国債補完供給における要件緩和を継続すると発表した。12月半ばに日銀の保有比率が非常に高く、市中流通高が極端に少ない366回債がチーペスト銘柄になるのを見据えた措置。 日銀は2022年、イールドカーブ・コントロール(YCC)の下、10年金利を低位で維持するため、指値オペなどを通じて一部の銘柄を大規模に購入した。その結果、366回債の市中流通量は10日時点で4106億円、367回債から369回債も1兆円を下回っており、市場では先物の価格形成や銘柄間の価格にゆがみが出ることへの懸念が出ていた。 流動性不足に対応するため、日銀は22年6月から国債補完供給の連続利用日数を段階的に延長したほか、日銀から借りた銘柄の返却を免除される「減額措置」の要件を緩和してきた。 日銀は16日の公表文で、金融機関からの減額措置の申し出について「国債市場の流動性改善に資すると判断した場合には、原則として当該願い出を承諾する」と明記した。