背番号18をつける宮城大弥 大前一樹さんが感じた能力と願い
元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当が対談する「オリいったお噺(はなし)」。5季ぶりにオリックス担当に戻った大坂尚子記者と宮城大弥選手について話しました。 【写真】オリックスの宮城大弥。プロになってからの自分は「(何を食べようと)関係ねえと思っていた」。心境の変化の理由は……。 大前 まさか復帰するとは思わなかったです。 大坂 またよろしくお願いいたします。私もまさかでした。当時の新入団会見で見ていた宮城投手が、来季からエース番号を背負うことに。感慨深いです。 大前 着実に成長していますよね。プロ1年目に初勝利して、2年目には規定投球回を投げた。今年は勝てない時もあったけれど、それでも好不調の波が少ない、すぐに成長できる能力を持った選手です。 大坂 2年目から13勝、11勝、10勝と2桁勝利でリーグ3連覇に貢献。今年は7勝9敗でしたが、それでも防御率1.91は素晴らしいです。 大前 身近に山本由伸投手がいたけどまねはしない、自分を持っている選手です。山本投手に「お前には無理だ」と言われながらも本気でタイトルを取りにいこうとする姿もいいです。 大坂 新入団会見の時は「経験を積んで、日本代表を背負えるような投手になりたい」と話していましたが、2023年にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場しました。 大前 有言実行ですね。その上をいっている感じすらあります。 大坂 体がタフなところも魅力です。そういえば高校3年時のU18(18歳以下)日本代表でもフル回転でした。 大前 今年は5月に大胸筋を痛めて出場選手登録を抹消されましたが、肩ひじを痛めない。本当に体が強いです。 大坂 背番号「18」は志願の変更。エース像について「自分の中では変わっていない」と話していました。「本当に勝ちたい時に勝てる投手、勝てない時でも良い投球をして、周りの人に影響を与える投手」を目指すと。この言葉からも自分を持っているのがわかります。 大前 今季は最後の試合で雨に泣かされ、141回と3分の2で規定投球回にわずかに届かなかった。23年の日本シリーズ第7戦でも、阪神のノイジー選手に一発を浴びた。2年連続でつらい終わり方をしているから、背番号「18」の1年目は笑って終わってほしいです。 大坂 「18」と言えば、山本投手はもちろんですが、その前は岸田護・新監督がつけていました。このタイミングでの継承も縁を感じます。 大前 岸田新監督からは来季の開幕投手を早々に告げられています。23歳と若いけれど、不動のエース。これからは「宮城の18」を完成させてほしいです。
朝日新聞社