【プレビュー】南半球の市街地コース、日本とは時差わずか2時間の真昼決戦メルボルン…第3戦オーストラリアGP|F1
サーキット(アルバート・パーク・サーキット)のレイアウト
オーストラリアのメルボルンにあるアルバート・パーク内の湖を周回する道路を使った半公道サーキット。1周は5.303km、全58周で行われる。 常設のサーキットではないため、ランオフエリアが狭い。そして路面はバンピーで滑りやすいことから、荒れたレース展開になることでも知られている。 DRSが4カ所あり、そのDRSが2度続くセクションが大まかに2つとなる。そのため、DRS計測地点で相手の後ろに付け、そこから2つのDRSを使ってどうオーバーテイクを仕掛けるのかという点が大きな注目ポイントとなる。 ターン8~9にかけてのDRS区間は、危険だという指摘もあり、2022年には廃止となったが、2023年はDRS区間復活となった。今季もターン9の飛び込みに向けたアプローチ、その駆け引きに注視したい。
2023年オーストラリアGPの結果
決勝では多くのドライバーがミディアムのコンパウンドを第1スティントに選択。アルピーヌとアルファロメオの2チーム4人がソフト、ニック・デ・フリースとローガン・サージェント、セルジオ・ペレスがハードを選んでいる。 レースがブラックアウトになり、2番グリッドのジョージ・ラッセルがトップでターン1に飛び込む。ターン3でルイス・ハミルトンがマックス・フェルスタッペンを抜き、これでメルセデス1-2の状態に。 ターン3ではチャールズ・ルクレールがランス・ストロールと接触してコースアウトを喫し、そのままマシンストップ。そのままレースはセーフティーカー導入となった。 ここですぐさまピットインするマシンも出てくる。エステバン・オコン、チョウ・グァンユ、バルテリ・ボッタスはハードに履き替え、タイヤ交換義務を早くも消化。サージェントとペレスに至ってはハードスタートからミディアム、ハードと立て続けに2度のタイヤ交換を行い、これで最後まで走り切る流れになっている。 4/58周目よりセーフティーカーエンドでローリングスタート。ラッセル、ハミルトン、フェルスタッペン、カルロス・サインツ、フェルナンド・アロンソの順番でレースが進む。角田裕毅は10番手で前のニコ・ヒュルケンベルグを追いかける展開となる。 すると7周目のターン6で、6番手走行中のアレクサンダー・アルボンがグラベルからウォールにヒットし、そのままリタイア。レースはセーフティーカー導入が確実と見越したドライバーが、続々とピットへと入ってくる。 ラッセルやサインツがピットに入り、タイヤをチェンジ。これでハミルトンがラップリーダーに。フェルスタッペン、アロンソ、ストロール、ピエール・ガスリー、ヒュルケンベルグの順番となった。 だがターン6ではデブリや砂が散っていることから、赤旗中断に切り替わる。これにより再開までにタイヤ交換が可能となるため、ステイアウトしていたクルマが得をする流れになった。 赤旗中断は15分ほど。トップはハミルトン。フェルスタッペン、アロンソ、ストロール、ガスリー、ヒュルケンベルグ、ラッセル、角田、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリの順番で、スタンディングスタートでの再開となった。ほとんどのマシンがハードのコンパウンドに履き替え、タイヤストックの事情からデ・フリースとサージェントのみがミディアムを装着している。 10周目から2度目のスタートとなり、ハミルトン、フェルスタッペン、アロンソ、ガスリー、ラッセル、ストロール、ヒュルケンベルグと続き、角田は8番手に。12周目のバックストレートでフェルスタッペンが仕掛け、ハミルトンを抜いてトップに浮上した。 角田は後方から迫るサインツ、ランド・ノリスのレースペースが速く、15周目には10番手までポジションを落としてしまう。 18周目に入るタイミングで、4番手走行中ラッセルのマシンから火が出る。ラッセルはピットレーン出口でマシンをストップさせたため、これでピットクローズド状態に。レースはバーチャルセーフティーカーとなった。 20/58周目よりグリーンフラッグに。ここからトップのフェルスタッペンが独走態勢に入り、2番手のハミルトン以下を突き放しにかかる。 角田は9番手で走行するも、後方から迫ってきたペレスのレースペースが速く、23周目には再びP10に順位を落とした。28周目のターン9ではオコン、29周目にはピアストリにも抜かれ、角田は12番手となる。35周目にはチョウ、マグヌッセンにもパスされ、P14となった。 トップのフェルスタッペンはレースペースをコントロールしながらのクルーズ状態になり、時折ファステストラップを叩き出す。10秒後方にハミルトンがいて、そこからアロンソ、サインツ、ガスリーの間隔がいずれも2秒以内に詰まる。 47周目のターン13でフェルスタッペンが止まれず芝生に飛び出すも、大勢には影響なし。終盤にはトラックエボリューションが効力を発揮し、各マシンはタイヤが劣化した状態ながらラップタイムは逆に上がっていく状況となる。 54/58周目、マグヌッセンがターン2の壁にヒット。そのままレースを終えることになった。右リアのタイヤ含め、デブリがコース上に散乱していることもあり、レースはセーフティーカー導入となった。 ここで角田やチョウ、ボッタスを始め、ソフトタイヤに変更するドライバーが出てくる。そしてレースは残り2周で再び赤旗中断となった。 レースは現地時間16:56にスタンディングスタートで再開とアナウンスされる。残り2ラップのみのスプリントレースがブラックアウトとなり、ターン1~2にかけて複数の接触が発生。オコンとガスリーは同士討ち、サージェントがデ・フリースに追突し、それぞれがマシンストップ。この直後、すぐさま同レース3度目の赤旗となった。 なお、13番手からスタートを切った角田はこの混乱に乗じ、P5まで一気にジャンプアップ。だがレース再開のアナウンスでは、1周のみで赤旗前の順位、17:33に開始と発表。4度目のスタートではフェルスタッペン、ハミルトン、アロンソ、サインツ、ストロール、ペレス、ノリス、ヒュルケンベルグ、ピアストリ、チョウ、角田、ボッタスの順番となった。 サインツはターン1でアロンソに接触したことにより、5秒のタイムペナルティ加算とここで発表されている。 残り1周のみの再開は、スタンディングではなくローリングスタートに。そのため、セーフティーカー先導のパレードランでファイナルラップを消化する形に。フェルスタッペンがそのままトップチェッカーとなり、2023年の2勝目をマーク。オーストラリアでは自身初勝利となった。2位ハミルトン、3位アロンソと、ワールドチャンピオン経験者3人が表彰台に上がっている。 4位ストロール、5位ペレス、6位ノリス、7位ヒュルケンベルグ、8位ピアストリ、9位チョウと続き、角田裕毅はサインツのペナルティにより10位フィニッシュ。2023年初の入賞となった。
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