「ダンサー事件」直撃、自民青年局の再生策 鈴木貴子局長に聞く【政界Web】
派閥の政治資金パーティー裏金事件に揺れる自民党へ追い打ちとなった党青年局の「過激ダンスショー事件」。若手を代表して党の裾野を広げる立場のはずが、逆に厳しい批判を招いた。発覚後、引責辞任した党本部青年局長の後任として緊急登板した鈴木貴子衆院議員(38)に、立て直し策はあるのか聞いた。(時事通信政治部 古川夏月) 【写真】記者団の質問に答える藤原崇衆院議員 ◇自覚の欠如 《和歌山市で昨年11月に開いた青年局の懇親会に露出度の高い衣装をまとった複数の女性ダンサーが招かれ、一部の参加者が口移しでチップを渡すなどしていたことが、今年3月8日に報じられた。大々的に取り上げられ、企画した和歌山県連青年局長(県議)は離党に追い込まれた》 ―問題が起きた要因をどう考えるか。 まず、ダンサーの皆さんに非はないことをはっきり述べておく。あくまでも(党側の)有志の懇親会であった。とはいえ、趣旨や目的にふさわしいものであったかという観点でそぐわなかった。 当時の和歌山県連青年局長が、本人の言葉を借りれば「サプライズをしたかった」ということで、自身の人脈で呼んだ。県連の他の役員にも事務局にも相談せずに仕込んだ。ただ、それは事実関係としての答えであって、自覚の欠如が大きな背景にあるのではないかと思っている。 ◇若手の責務 《報道された当日、藤原崇青年局長(衆院議員)と中曽根康隆青年局長代理(同)が辞任届を提出し、受理された。その4日後に青年局長に就いた鈴木氏は「あるべき姿を全国の仲間と一緒に形にしていきたい」と決意を述べた》 ―就任に際しての心境は。 この問題は、自民党が(裏金事件で)政治不信を招いてしまい、党を挙げて信頼回復に努めていかないといけない時に、水を差すような事案だった。若手は子育て世代でもあるし、将来の責任世代でもある。そのわれわれが、うみを出すべきところはしっかり出していくことを声を大にして訴えていた最中でもあった。 こういう大変な時に声を掛けてもらったことを重く受け止めている。私自身、歴代の青年局長にお世話になってきたので、恩返しの意味もある。内閣や自民党に対する支持率が厳しい中、有権者と近いところで日々頑張っている全国の仲間のことを思った時、今こそ青年局をもり立て、その先に自民党の復活を期すという思いで引き受けた。