ミドル最強戦の疑惑のドロー判定を巡り議論「奇妙」「酷い判定で試合破滅」
米スポーツイラストレイテッド誌も「ボクシングジャッジのアダレイド・バードは、予想外の結果をつけた過去がある」というタイトルで、アルバレスの118-110とした判定を批判した。 同誌は、「彼女のスコアカードによると、ゴロフキンは第4ラウンドと第7ラウンドしか勝っていない。多くの人は意見が合わず、第3ラウンド以降は、ゴロフキンが大方、勝っていたと信じている」と説明した。 同誌はバードが、今年5月に行われたアルバレス対チャベス・ジュニアの対戦でも、アルバレスを120-108のフルマーク採点で支持していたことを指摘、さらに、昨年11月に行われたロマチェンコ対ウォルターズの、WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチの前には、3人のジャッジからバードを外してくれるようプロモーター側が要請した事実があったことを伝えた。 その際、バードをジャッジメンバーから外してくれるように求めたボクシングオペレーションズのモレッティ氏は、同誌に「何人かのジャッジは調子の良いときと悪いときがある。しかし、彼女の調子が悪いときはスコアからかけ離れてしまうのだ」と、その理由について語った。 またESPNでは、同局のベテランコメンテーターであるテディ・アトラスが、この一戦がジャッジの手にあり、議論を起こす結果になる可能性のあることを、この一週間予測してきたことを伝えた。 そして、バードをジャッジに起用した背景にビジネスの側面があることを指摘した。 「お金を追いかけているんだ。ボクシングが賞賛するべきものを尊重できていない。お金や権力を称えているだけだ。特定の力のあるブローカー、特定のプロモータだけが力を持っている。彼らは、誰がジャッジするのか、誰がジャッジしないのかをコントロールしている。再戦されれば、ここラスベガスにお金がやってくる。一週間、ここに立って議論を起こした結果だと言うのは、私には堪らない」 世紀の一戦が疑惑のドローとなったことは世界中のボクシングファンに失望感を与えたが、アトラス氏が指摘するように、それが再戦に向けての布石であるなら、なおさら不可思議だ。