【阪神】村上頌樹の好投につながった2つの分岐点…藤川球児氏「オーソドックスの重要性」
◆JERAセ・リーグ 阪神1-0(9日・甲子園) 阪神は今季の甲子園初戦を完封勝利で飾り、5勝5敗の勝率5割とした。昨季MVPの村上頌樹投手が7回2安打無失点で今季初勝利。スポーツ報知評論家の藤川球児氏は、好投につながった2つの分岐点を指摘した。 * * * * * * * 阪神・村上は尻上がりに調子を上げた。広島打線が低めを割り切るような対策を講じた中で、しっかり低めにボールを集めてペースをつかんだ。好投の分岐点になったと感じたシーンは2つあった。 1つ目は初回先頭打者・野間の中前に落ちそうな打球を中堅・近本が好捕したプレー。2日のDeNA戦は立ち上がりに4失点(3回7安打5失点)していただけに、探りながらの入りで粘られていた。あれがアウトになったことで精神的に落ち着いた。 2つ目は2回無死一塁で迎えた秋山の打席。誘った低めカーブを見送られて2ボールになってから、真っすぐを3球続け、全て見逃しで三振を奪った。いずれも極端に厳しいコースではなかった。大胆にストライクを投げたことでリズムに乗った。女房役・坂本も相手打線の傾向をより感じ取っただろう。 改めてになるが、村上の長所は直球を軸とした小気味良さ。しかし、ブレイクした翌年は頭の中が成長し、昨年よりいい投球を目指すあまり、いろんなことをしようとし過ぎてしまうもの。それは前回の今季初登板にも表れていた。この日の投球でオーソドックスの重要性、本来の姿を思い出すきっかけになったのではないか。(藤川 球児)
報知新聞社