ご当地VTuber「凹うつわ」さん誕生、美濃焼の付喪神が岐阜県東濃の魅力発信 店紹介や地名クイズ
岐阜県東濃地域初とみられるご当地バーチャルユーチューバー(Vチューバー)の「凹(くぼ)うつわ」さんが4月にデビューし、土岐市を中心に地元の催しや店舗などを取材して地域の魅力を発信している。新しい時代の地元PRが静かな注目を集めており、凹さんは「いろんな方が県の魅力に気付くきっかけになりたい」と意気込んでいる。 Vチューバーは表情や体の動きを反映したキャラクターの姿で出演する動画配信者で、特に若年層に高い訴求力を持つ。テレビゲームの実況や音楽活動などが有名だが、一部では地域と結びつき観光などを盛り上げようとする動きもある。 「美濃焼の付喪神(つくもがみ)」と設定されている凹さんもその一人。美濃桃山陶から着想を得た文様や草花の意匠をデザインに取り入れた。慣れ親しんだ現代風の東濃弁で話す。 配信内容は、実際に出かけた「土岐美濃焼まつり」の振り返り、地元和菓子店への取材、東濃地域の難読地名クイズなど、地元色が強め。「地元愛を武器にご当地Vチューバー活動を始めた。やるからにはとことん突き詰める性格を生かして成長していきたい」と話している。 チャンネル登録者数は500人を超え、凹さんの活動は地元でも注目を集め始めている。市内のローカル情報発信事業に10年以上取り組む山田千尋さん(42)は、同まつりの動画を見て凹さんに「コラボ」を持ちかけた。取材と脚本を山田さんが、演出と編集を凹さんが担うシリーズ企画を進めている。シリーズの告知動画は1万2千回以上再生された。 山田さんは「生まれ育った場所で活動するVチューバーとして、幼い頃の記憶や取材に基づく体験談が凹さんの持ち味だ。地域との関わりをより深く持ってほしい」と期待を語った。 今後は地域の催しでの中継など、配信側と視聴者側でやりとりができるような双方向性の高い取り組みを予定している。凹さんは「活動を始めて2カ月だが、皆さん自分の地元が大好きなのだと気付いた。より多くの方に県の魅力を知ってほしい」と話した。
岐阜新聞社