南アルプス山麓のコウモリ2種、体の大小による違いで食い分けて共存 東京農工大など
また、キクガシラは飛ぶ虫ばかり食べていた一方、コキクガシラではわずかながらもクモやチョウの幼虫(イモムシ)を食べていることが確認された。小さいコキクガシラは飛ぶ能力が比較的高く、枝にぶら下がりながら待ち伏せしてエサをとるキクガシラと違い、餌を飛びながら探し、見つけたらホバリングして食べている可能性があるという。
今回の研究では近縁2種のコウモリの食い分けのみに注目した。髙田特任准教授は「森林にすむ一部の動物のつながりが明らかになっただけかもしれないが、類似の知見を積み重ねることで生態系の複雑さを解きほぐし、保全の手立てを見つけることにつながっていく」と話している。
成果は10月15日付けのオランダの動物学雑誌アニマルバイオロジー電子版に掲載された。