「ロックバンドは美しい表現形態 関係性の中で『何か』が作られていく」ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文さん “茶倉庫”スタジオは「願い」を叶える場
天井や壁には、後藤さん自ら防音対策を施している上にこのスタジオは地下。それでも低音でパワーのあるドラムの音は、ここでは収録できないといいます。さらにー 「僕のスタジオだとシンバル立てて、ドラムセット組んだら、すぐに天井なので。叩いたらすぐ天井の音が跳ね返ってくるということなんですよね」(後藤さん) 藤枝の蔵は2階の床を取り外し、吹き抜けにする計画で、天井までの高さは約5メートル確保できるといいます。後藤さんがスタジオを作るために蔵を選んだ最大の理由は、蔵特有の天井の高さにあったのです。 Qなぜ、音楽スタジオを藤枝に? 「東京にいると、どうしても利益とか効率とかそういうものに追い立てられて、制作の現場が細っていく。僕はロックバンドは美しい表現形態だなと思う。関係性の中で「何か」は作られていく。それは、とても大事なこと」(後藤さん) 「Music Inn Fujieda」は「表現力を磨きたい」というミュージシャンの願いを叶えるスタジオだといいます。 「僕が死んだ後も(スタジオが)残って、藤枝や静岡の人、首都圏や名古屋の人とか、みんなが『あそこで録ってみたいよね』というスタジオになっていたらいいですよね。50年後とかに残っていたら、成功かなって感じると思います」(後藤さん) 藤枝市内の蔵を音楽スタジオにするためには、多額の改修費用が必要で、後藤さんたちはクラウドファンディングで5,500万円を目標に資金を募っていましたが、約2か月間で3000人以上の賛同を得て、目標額を達成しました。
静岡放送