大学生等の約半数が利用! 多額の借金してまで大学に行くメリットはある?
私立大学に進学すれば、卒業までの4年間の学費は平均約520万円になります。大学生の約半数は、奨学金などの借金をして進学しています。「多額の借金してまで大学に行く必要あるのか」と、疑問に思う方もいるかと思います。 なぜ大学に行きたいのか、借金してまで大学に行くメリットは何か、借金をする前によく考えてみましょう。
私立大の学費はいくら必要?
文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、私立大学の初年度学生納付金(授業料、入学料、施設設備費の合計)の平均は、135万7080円となっています。実験実習料等を含めた総計は、148万2964円となり、卒業までの4年間で実験実習料等を含めた総計は平均約520万円となります。 私立大学の学費は、国公立大学と異なり、学部・学科により学費が大きく異なります。理系では4年間で約600万円の学費がかかります。もちろん、学費以外にも教科書代・教材費・交通費や生活費も必要になります。
学歴別生涯賃金
高卒で就職した場合、22歳時点では男性の賃金総額は約1200万円と有利です(※)。しかし、人生は長いです。学歴が高まるにつれて就業年数は短くなりますが、大学卒のほうが高校卒に比べ賃金水準が高いため、最終的には大学の生涯賃金のほうが高くなります。 (※)令和4年賃金構造基本統計調査をもとに筆者試算 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022」によれば、「同一企業型の職業生涯の場合を見ると、生涯賃金(60歳まで、退職金を含めない)は、男性は高校卒2億5000万円、高専・短大卒2億4000万円、大学卒2億8000万円、女性は高校卒1億8000万円、高専・短大卒2億円、大学卒2億 4000万円となる」と試算しています。 このように、生涯賃金で見ると、男性は高校卒2億5000万円、大学卒2億8000万円と大学卒と大学卒のほうが有利になります。その差額は、1800万円(3000万円-1200万円)です。 これらの結果を見ると、統計上は、借金をしても経済的には大学に行ったほうが得といえます。なお、多くの学生が利用する日本学生支援機構の奨学金は、無利子または低利子(上限利率年3%)です。 ただし、上記の結果は統計上の平均値です。企業規模により生涯賃金は大きく異なる点は知っておきましょう。 「ユースフル労働統計2022」によると、「企業規模別には、男性高校卒は 1000人以上規模で2億7000万円、10~99人規模で2億1000万円、男性大学卒は1000人以上規模で3億1000万円、10~99人規模で2億3000万円となっている」と試算しています。