《売春家族のドンに懲役28年の判決》「口封じのために父親を殺害」一家を支配した「女帝」が22歳年下の義理の弟と共謀した「ヤバすぎる犯罪劇」
ママ友に売春を強要
まずは事件の概要を説明していこう。敦子が初めて接点を持った村上家の人物は直哉の実母だった。この時にはすでに隆一さんとは離婚していて、長男の保彰と次男の直哉被告と3人で暮らしていたという。実母は近所のパチンコ店で敦子と出会い意気投合。家族ぐるみで仲良くなるが、ある日を境に関係性が変わってしまう。 「2008年ごろ、敦子被告は『母の容態が悪くなった。あなたが私に風邪をうつしたせいだ』と因縁をつけて、直哉被告の実母に治療費を請求したのです。ただ支払うカネがなかったことから、敦子被告は売春を勧めました。敦子被告と敦子被告の姉が出会い系サイトで相手を見つけては性行為をさせる。月に数百万円もの売り上げがあったそうです」(前出の記者) この件をきっかけに、敦子被告は村上家を侵食していく。2011年に敦子はなんと17歳も年の離れた長男の保彰と結婚。保彰と弟・直哉被告の協力を得て、売春は美人局という名の「ファミリービジネス」に発展するようになった。 2013年ごろからは敦子の元夫(松野新太)とその妻(みき子)も関わるようになる。それぞれの役割はドンである敦子被告の指示のもとで、明確に決められていた。 「敦子被告の姉は出会い系サイトで相手を探す『手配師』、敦子被告の元夫の妻と直哉被告の実母は『売春役』、直哉被告はホテルの出入りを映像におさめる『カメラマン』、敦子被告の夫はターゲットの男性と示談金の交渉をする『ゆすり屋』でした。ちなみに直哉被告は、敦子被告から『夫(保彰)から殴られる』という相談をされているうちに、兄の嫁であるにも関わらず敦子被告と肉体関係を結んでいたそうです」(同前)
隆一さんを「口止め」するために殺害を決意
だが、10年以上にわたって行われた美人局ビジネスは、思わぬ形で終わりを迎えることとなる。2022年5月、売春を強要されていた直哉被告の実母が県外に逃亡したのだ。ここで敦子は、彼女の元夫である隆一さんが美人局について把握した上で、直哉被告の実母の逃走を促したのではないかと疑念を深める。 翌年、隆一さんは直哉被告に「敦子らがやっていることは犯罪だ。証拠を弁護士に持っていく」と連絡。売春や恐喝がバレてはまずいと思った直哉被告らは、冒頭で描写したような話し合いを行う。そして、その翌日に隆一さんは殺されてしまうのだ。 捜査の結果、敦子被告、敦子被告の夫(保彰)、敦子被告の義理の弟(直哉被告)、敦子被告の実姉(市瀬恵美)、敦子被告の元夫(松野新太)とその妻(松野みき子)の計6名が逮捕されるに至る。 「裁判では、いかに敦子被告が直哉被告たちに忠誠を誓わせていたのかが浮き彫りになりました。実姉は敦子被告を『みんなに好かれていて何かあったら助けてくれる』と評し、直哉被告は『(敦子は)自分に助言してくれただけで殺害は自分で決意した』と、敦子被告を庇うような発言までしています。 2人の共謀が争点になっている裁判の判決は11月25日に言い渡され、仙台地裁は敦子被告の殺人への関与を認め、敦子被告に懲役28年、直哉被告に懲役20年の判決を下しました」(同前) 隆一さんの殺人、そして数十年に及ぶ美人局ビジネスを先導してきた敦子被告とは何者なのか。続編『《ルポ売春家族》「パチ屋で因縁→美人局スナックへ」「利率は10日で5割の金貸しも」…一家を支配した「女帝」が編み出した、驚くべき「シノギの手法」』では、謎に包まれた「女帝」の更なる素性を探るべく、総力取材を敢行した。
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)
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