年末に買って年始に売るだけ…30代前半で億り人になった個人投資家が今でも毎年実践する効果的な投資法
■日経平均の年末の最終営業日は陰線になりやすい 日本株の年末の最終営業日の「大納会」は、日経平均は陰線になりやすいアノマリーがあります。21世紀は9勝15敗で、平均-0.23%・通算-5.54%です(図表1)。 また、大納会の終値で買い、大発会の初値で売ると勝率が高い傾向があります。21世紀は15勝9敗で、平均+0.28%・通算+6.72%です。 さらに、大発会の初値が大納会の終値よりプラスだと、大発会は終値が初値より高い陽線になりやすい傾向となっています。21世紀は13勝2敗で、平均+0.5%・通算+7.53%です(図表2)。
■大納会の終値で買い、大発会で売る このアノマリーを利用すると、大納会の終値で日経平均のETF・投信・先物などを買い、大発会の初値がマイナスになりそうな場合は、寄り(始値)で売り、プラスなら大発会の終値で売るのが有効です。実際にこの方法で投資をした場合、21世紀の成績は合計で平均0.60%、通算14.35%となりました(図表3)。 年末年始以外のアノマリーについても代表的なものを紹介しておきましょう。 ■1月効果 1月に株価が上昇する傾向です。特に小型株に顕著に見られます。年末の節税売りが一巡し、新たな資金が流入するためと考えられています。 旧東証マザーズ指数の2003~2023年のデータでは、12月24日頃に底値をつけ、1月25日頃まで上昇傾向となっています。 流動性が低い中小型株を12月に仕込み、1月に売るという戦略が有効です。ETFだとRussell 2000 ETF(IWM)、東証グロース250ETF(2516)などが選択肢となります。 ■ハロウィーン効果 年末年始を挟んだ数カ月のアノマリーとしては、ハロウィーン効果があります。10月末から翌年春にかけて株価が上昇するというアノマリーです。米国で特に見られ、年末年始の需給バランスの変化が要因の一つと考えられています。S&P500やNASDAQ100連動の投信・ETF等を、10月末頃に購入し、4~5月に売ると高リターンの傾向です。 ■他の投資戦略との組み合わせも可能 ここで年末年始アノマリー投資のメリットを整理しておきましょう。 一つは、過去のデータに基づいて、短期間で比較的高い収益を得られる可能性があります。年末年始は、企業業績発表や経済指標発表が少なく、比較的安定した相場となる傾向があるため、短期的なトレードに適している場合があります。 もう一つは、長期的な投資戦略に加えて、年末年始のアノマリー投資を組み合わせることで、ポートフォリオの多様化を図ることができることです。例えば、インデックスファンドで長期的な資産形成を行いながら、年末年始には余剰キャッシュや信用取引を活用し、特定の銘柄に集中投資を行うといったことが考えられます。