環境問題や防災で質問 和歌山県白浜町が中学生議会
和歌山県白浜町役場議場で26日、中学生議会(町青少年育成町民会議など主催)があった。町政に興味を持ってもらうことを目的に開催しており、12回目。町内4校の生徒会役員7人が議員として登壇し、観光や環境問題などについて、大江康弘町長らに提案や質問をした。 【海水浴場の開設1カ月延長 臨時情報で経済的に打撃を受けた和歌山県白浜町の記事はこちら】 白浜中生徒会書記の河畑悦娜さん(3年)は、水を大切にする意識を育むために町内小中学校の蛇口への節水バルブ設置を提案。豊田昭裕教育長は「実証実験をしたい」と述べた。 日置中生徒会副会長の町田琉夏さん(3年)は、南海トラフ巨大地震に備え、高速道路への避難所設置を提案。大江町長は「必要性を検討し、今後関係機関と協議したい」と応じた。 富田中生徒会会計の小山玲櫻さん(2年)は、災害時に避難所となる富田中体育館へのエアコン設置を提案。豊田教育長は「優先順位を考えながら学校施設の防災強化に向けて整備を進めていきたい」と述べた。 富田中生徒会会長の徳岡柚月さん(3年)は、地域活性化のために富田地区に「道の駅」を設置できないか聞いた。大江町長は「今後の地域振興における検討課題とする」と応じた。 三舞中生徒会会長の佐本希実さん(3年)は、日置川地区を運行するコミュニティーバスを観光客らにもっとPRすることを提案。大江町長は「広報活動の強化と利用促進を図りたい」と答えた。 日置中生徒会会長の徳田美宇さん(3年)は、海の環境を守るため、二酸化炭素を吸収する海洋植物アマモの研究に取り組んでいると説明。アマモ育成の場として、同校横の壊れたプールを修理して貸してもらいたいと要望した。豊田教育長は「多くの費用がかかる。大変素晴らしい取り組みだが、貸し出しすることは困難」と理解を求めた。 議会終了後、観光について質問した白浜中生徒会副会長の小森寛太さん(3年)は「とても貴重な経験ができた。重い雰囲気だったが、緊張することなく質問することができ、自信がついた」と話した。 大江町長は「生徒の一言一言が真剣で、とても緊張した。今日の意見をできる限り町政に反映させていきたい」と語った。
紀伊民報