12月“お宝”株主優待は早めに! 実質利回り5%でQUOカードも 約250銘柄保有する“優待弁護士”に聞く
今年1月からスタートした新NISAをきっかけに、株式投資を始める人が増えている。金融庁が9月に公表した「NISA口座の利用状況(2024年6月末)」によると、買い付け額の合計は約10兆1341億円で、このうち株式投資ができる「成長投資枠」は約7兆9163億円と、「つみたて投資枠」を大幅に上回った。 【表】“優待弁護士”おすすめの12月“お宝”優待銘柄10はこちら 「成長投資枠」についておさらいしよう。年間投資枠は240万円で、1200万円まで非課税保有限度額が設けられている。「つみたて投資枠」対象の投資信託も購入可能で、対象外の投資信託、国内外の個別株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)にも投資ができる。 なかでも注目を集めたのが「優待株」への投資だ。株主優待とは、企業が株主に対して商品や金券などを贈る制度のことで、優待を実施している企業の株式を「優待株」という。 ■ボーナス月で余剰資金を 「優待株は長期保有の投資家が多く、株価は比較的安定しているので日経平均株価が暴落した時でもそれほど影響を受けにくい。初心者にとって安心できる投資スタイルといえるでしょう。また、新NISAでは優待や配当金には課税されないといったメリットもあります」 そう語るのは、趣味が高じて約150銘柄の優待株を保有し、株のコラムも執筆する“優待弁護士”こと澤井康生弁護士。 株主優待の権利を得るためには、決算月を知っておこう。 権利確定日は決算月末日であることが多く、権利確定日の2営業日前までに100株以上購入して株主になる必要がある。3月、6月に比べて12月は決算月の企業は多くはないが、ボーナス月で余剰資金を使って、比較的少ない資金で購入できるお宝銘柄が多いという。
澤井さんに12月権利優待株の特徴やおすすめ銘柄について聞いた。 「今は毎日の生活でも節約志向が高まっていますので、1:食事券、2:金券、3:高配当と、ご自身へのごほうびがもらえるような銘柄がおすすめです。3つのジャンルからバランスよく選んでみました。まず、経営サポートと飲食店を運営するG-FACTORY(3474)の株主優待。以前はQUOカードだったのですが、2022年に一度廃止され、24年になって復活しました。しかも内容はグレードアップして3000円分の食事券がもらえます。投資金額が10万円以下という点もおすすめポイントです」(澤井さん) ■年2回もらえる「優待株」 22年4月の東証再編以降、株主数の上場基準の緩和があった。個人投資家を確保するために優待を行っていた企業にとって、継続する必要がなくなったこともあり、廃止する企業が相次いだ。ところが新NISAがスタートしたことで、再び個人投資家から投資を促すため、購入金額を低くする「株式分割」を実施したり、優待を復活させたりする企業もここにきて増えてきた。こうした優待復活銘柄は内容がグレードアップしていることもあるので見逃さないようにしたいという。 中間決算と本決算の年2回、優待がもらえる「優待株」もおすすめのひとつだ。 「AI CROSS(4476)はAI(人工知能)を使ったインフラサービスを提供する会社なのですが、優待はQUOカードで、300株以上保有で1万5000円分、しかも12月と6月の年2回もらえます。飲食店を全国展開する物語コーポレーション(3097)も、優待品は『焼肉きんぐ』や『丸源ラーメン』などで使える食事券で、100株以上で3500円分が12月と6月で年に2回もらえます」