町田啓太、まひろに逆襲される公任は「クセになっている」 互いに知らない不思議な縁
「斉信とまひろの局に行った時も“丁寧に”返されていましたけど。逆に公任、ちょっとクセになっているんじゃないかなという感じもあって。というのも、公任の周りにそこまで返してくれる人がいないんですよ。道長には割と放任されているし、斉信とは張り合っているだけなのでちょっと違いますし、行成(渡辺大知)は苦笑いみたいな。だから、もしかしたらスパッと言われてうれしかったのかもしれないなと。公任自身、結構言うタイプですし」
まひろ自身は知らぬことだが、公任はまひろが「源氏物語」を書くきっかけを作った人物でもある。第30回で道長が娘・彰子のもとに一条天皇(塩野瑛久)が渡ろうとしないことに頭を悩ませていた時、行成が帝は書物を好むため(亡き中宮・定子のために書かれた)「枕草子」を超える面白い読み物があればと提案し、公任が妻・敏子(柳生みゆ)が行う学びの会に“面白い物語を書く女”がいると道長にまひろを紹介した。
「公任、意外ときっかけを作っているんですよね。公任はまひろの物語を書く能力をとてもかっていて、だから道長にまひろの存在を話したわけで。一時期は公任の屋敷でまひろの面倒を見ていたわけだから、普通は噛みつかれたりしたら黙ってはいないですよね。でも、公任はおかまいなしな感じなので、いわゆる“おもしれぇ女”みたいなことなのかはわかりませんが、“面白いな、この人”っていうのは思っていたんじゃないですかね。この時代の中で唯一男女関係ないのが芸事で、だからこその関係性だったのかもしれません」と公任とまひろの不思議な縁に思いを馳せていた。(編集部・石井百合子)