「ビリビリ動画」やイベントなど、アニメで日本と中国のコラボが大盛況
米ナスダック上場を果たした中国の動画共有サイト「ビリビリ動画」
実際、3月下旬に米ナスダックに上場を果たして話題を集めている、中国の動画共有サイト「ビリビリ動画」には、数多くの日本のアニメ作品がアップされている。 アニメ誌編集者は語る。 「『ビリビリ動画』にアップされている日本のアニメ作品の中には、アニメの制作サイドによる正規版の動画もあれば、いちユーザーが無許可で勝手にアップしている動画もありますが、総じて日本アニメの人気が高い。昨年7月に『ビリビリ動画』が上海で行ったイベントには、『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌で知られる高橋洋子さんや『スラムダンク』の主題歌を歌った大黒摩季さん、人気声優の宮野真守さんらが出演して盛り上がったそうです。また『名探偵コナン』は、日本での放送の2時間後に中国語吹き替え版を中国の動画配信サイトで配信スタートさせたり、今後もこういう動きは活発になるでしょうね」 こうした背景もあり、最近のアニメ業界では日本と中国による“コラボ”も盛んだという。 「一昨年の夏に公開された『君の名は。』が中国でも大ヒットしました。中国の企業が日本のアニメの配給権を買収するのはもちろんのこと、日本のアニメの製作委員会に出資したり、直接製作に携わるケースも格段に増えています」(前出のアニメ誌編集者)
中国市場を意識した作品も
その一方で、日本のアニメの中には中国市場を意識した作品も出てきているとか。 「現在、日本のTOKYO MXで放送されている『一人之下』というアニメは、中国のIT企業『テンセント』が展開するウェブコミックサイト『テンセント漫画』で連載中の中国人作家による漫画が原作ですが、深夜帯の放送でありながらそのストーリーや世界観が日本のアニメファンの間でも注目を集めまています。中国での知名度もかなり高く、『テンセントビデオ』にアップされた日本のバンド『NormCore』が担当する同アニメの主題歌は、600万回近い再生回数を記録しています」(同アニメ誌編集者) インターネットの登場で世界中の“距離感”が縮まる中、日本と中国のアニメを通じた交流は今後も強まりそうだ。 (文・竹下光)